週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

石棺

「風返稲荷山古墳と上宮王家ー東国の古墳と飛鳥文化ー」 かすみがうら市歴史博物館

かすみがうら市歴史博物館で開催中の特別展「風返稲荷山古墳と上宮王家ー東国の古墳と飛鳥文化ー」を鑑賞した。風返稲荷山古墳から出土した馬具や大刀などの遺物53点は昨年11月に国の重要文化財に指定されることが決定した。本展は、国指定重要文化財記念特…

古塚古墳石棺 熊谷市肥塚

熊谷市肥塚の成就院の境内に保存されている熊谷市指定考古資料「古塚古墳石棺」を見学した。明治期に成就院の西の方字西浦の旧諏訪神社跡地から発掘された石棺で、凝灰岩を石棺に使用した珍しい例とのこと。 文化財 | 古塚古墳石棺 | 熊谷デジタルミュージア…

クリスタル・ロード 山梨県立考古博物館

山梨県立考古博物館で開催中の令和5年度春季企画展「御嶽昇仙峡国名勝指定100周年記念クリスタル・ロード」を鑑賞した。渓谷「御嶽昇仙峡」の国の名勝指定100周年を記念した企画展で、昇仙峡をはじめとする山梨県内の水晶を用いた考古資料を中心にご紹介する…

常願寺に移設された3基の石棺 下妻市高道祖

9月のお彼岸に、牛久市、阿見町、つくば市、下妻市の古墳巡りの続き。 埼群古墳館で紹介されている下妻市高道祖の常願寺に移設保存されている3基の箱式石棺を探索した。常願寺の裏の長壽公園の碑が建つエリアにあった。埼群古墳館によれば、2008年当時は3基…

佐古墳群 つくば市佐

つくば市佐の鹿島神社境内に1基の箱式石棺が保存されている。佐古墳群の石棺とのこと。佐古墳群からは、1855年(安政2年)9月耕作中に石棺が発見され、人骨三体のほか勾玉、管玉・鉄刀等が出土したとの記録が残されている(文献[2])。佐古墳群は、文献[3]の「佐…

群馬県佐波郡の古墳出土の船形石棺 多摩美術大学上野毛キャンパス

五島美術館の近くの多摩美術大学 上野毛キャンパスに群馬県佐波郡の古墳出土の船形石棺があるとのことで、立ち寄った。時節柄、関係者以外のキャンパス内への立ち入りは難しそうだったので、敷地外から探したところ、あるのは確認できたが。なんとも。ちなみ…

東大塚出土箱式石棺 川島町白井沼

川島中学校敷地内に移設保存された箱式石棺。6枚の緑泥片岩を組み合わせて箱形にしたもの。文化年間(1804〜1818年)に東大塚の古墳上の神明社修理の際に出土。1965年5月に移設された。 石棺(せっかん)/ 川島町 文献 [1] 埼玉県教育委員会 1994「埼玉県古墳…

長持形石棺 (王者の石棺)

天慶塚古墳の石棺が関東で5例しかない長持形石棺といことで、長持形石棺について調べた。長持形石棺は、近世の日本で用いられた民具(衣料の収納具)の「長持(ながもち)」に似ていることから命名された。長持には、長端部に棹(さお)を通すための金具があり、運…

印西市立木下交流の杜歴史資料センター 印西市木下

印西市立木下交流の杜歴史資料センターの屋外に展示されている松山2号墳の箱式石棺と木下貝層の貝化石を見学。この展示は、箱式石棺の移設という意味ではなく、石材に着目して、両者の色の違いなどを示すのが目的のようで、箱式石棺の石材の配置は出土状況と…

不動山古墳 (再訪) 高崎市綿貫町

群馬県立歴史博物館の手前で不動山古墳の前の道を通ったので、博物館の見学前に不動山古墳を再訪。墳丘上の木がスッキリ伐採されていた。前方後円墳。全長94m。5世紀中ごろから後半の築造。 縄掛け突起付き舟型石棺。凝灰岩製。全長3.45m。内法は長さ2.4m。 …

「舟塚山古墳とその時代」石岡市立ふるさと歴史館

石岡市立ふるさと歴史館で開催中(2/2まで)の企画展「舟塚山古墳とその時代」を見学した。舟塚山古墳は、東日本で2位の規模を誇る前方後円墳。北西に筑波山、南東に霞ヶ浦を望む景勝の地に、巨大な舟が停泊しているように佇む。1921年(大正10年)に国の史跡に…

公津原39号墳 成田市船形

成田ニュータウンの西端の成田市船形の麻賀多神社(まかたじんじゃ)の東側に印波国造(いんばのくにのみやつこ)の伊都許利命(いつこりのみこと)の墳墓と伝わる方墳がある。全長36m、高さ5m。公津原39号墳。 蓋石の隙間にスマホのレンズを向けて撮った写真。ピ…

お富士山古墳 伊勢崎市安堀町

赤堀歴史民俗資料館でお富士山古墳の石棺のレプリカを見た後でお富士山古墳を訪れた。5世紀はじめに築造された市内最大の前方後円墳。全長125m。前方部の一部がJR上毛線で切断されている。後円部に富士神社を祀る。 北の方向に赤城山 お富士山古墳/伊勢崎市…

「王者の石棺」 伊勢崎市赤堀歴史民俗資料館

11月15日から赤堀歴史民俗資料館で開催中のホール特別展示「王者の石棺」を見てきた。お富士山古墳の墳丘上に保存されている長持形石棺は、畿内の大王級の古墳に採用された石棺と同じであることから「王者の石棺」と呼ばれ、ヤマト王権との関係が推察される…

「常陸の玉作り」土浦市立考古資料館

上高津貝塚ふるさと歴史の広場の土浦市立考古資料館で開催中の企画展「常陸の玉作り」を武者塚古墳石室公開に参加する前に見た。武者塚古墳出土品を同時公開している。去年、本館に来た時は全館で撮影禁止だったが、今回は、基本は撮影OKで、一部の撮影禁止…

武者塚古墳石室公開(11/17) 土浦市上坂田

上高津貝塚ふるさと歴史の広場の土浦市立考古資料館で開催中の企画展「常陸の玉作り 重要文化財武者塚古墳出土品同時公開」の記念行事として実施された武者塚古墳石室公開に参加した。武者塚古墳(むしゃづかこふん)は古墳時代終末期(7世紀)の古墳で、1983年…

宗永寺裏西塚古墳(美土里村4号墳) 藤岡市上落合

七輿山古墳の後円部の約150m東に位置する宗永寺の境内にある宗永寺裏西塚古墳(美土里村4号墳)。前方後円墳。全長48m。 東から、手前が前方部 南から前方部の墳頂に登る石段 石段下から後円部 石段下から前方部 前方部の墳頂 前方部の墳頂から後円部 後円部…

三渓園 石棺 横浜市中区本牧三之谷

明治時代に製糸・生糸貿易で財を成した横浜の実業家・原富太郎(号は三渓)が、明治時代末から大正時代にかけて造りあげた日本庭園の三渓園に奈良県の古墳から出土した石棺があると知り訪れた。 三渓園の外苑。 石棺は内苑にある。京都から移築された茶室の春…

金鈴塚古墳 木更津市長須賀

小櫃川下流域にひろがる沖積平野にある、浜長須賀と呼ばれる標高約5.5mの微高地上に所在する金鈴(きんれいづか)古墳は、1950年の調査で金鈴が出土し、名付けられた。それまでは二子塚と呼ばれた。6世紀末頃に築造された前方後円墳で、全長約90m、墳丘の周り…

大篠塚2号墳の箱型石棺 國學院大学博物館

國學院大学博物館の前庭に千葉県佐倉市大篠塚の大篠塚2号墳から出土した箱型石棺がありました。緑泥片岩の板石を組み合わせたもの。文献[2]によれば「常総型古墳」とは「常総型古墳は墳丘中央から外れた低い位置に埋葬施設があること,埋葬施設が箱式石棺で…

千葉県の博物館巡り

江戸東京博物館で開催された「発掘された日本2018」展で、今年も関東考古学フェアのスタンプ台紙をもらいました。道作1号墳の現地説明会の後で千葉県の博物館を4館を巡りました。猛暑の中だったのでどこの博物館もほぼ貸切。 千葉県立房総のむら、風土記の丘…

道作1号墳 現地説明会(7/21) 印西市小林

毎日、暑いですね。今日は道作1号墳の現地説明会に参加しました。昨年に引き続き2回目です。道作1号墳は北に利根川、南東に印旛沼が面する標高約30mの台地上に所在する全長46m、高さ4mの前方後円墳で、西印旛沼域では最大規模です。 北から、左手前が後円部…

北条中台遺跡出土石棺 つくば市北条

つくば市北条の無量院境内に安置されている石棺。小さい、子供用か。 北条中台遺跡は、茨城県住宅供給公社の(仮称)北条住宅団地建設事業の計画に伴い、1991年から1992年に発掘調査(記録保存)が行われ、旧石器時代から近世までの遺構、遺物が大量に発見された…

不動山古墳 高崎市綿貫町

普賢寺裏古墳の南に所在する不動山古墳。前方後円墳。全長94m。後円部の墳頂に上州綿貫不動尊が鎮座する。埋蔵施設は縦穴系(舟型石棺)。 北から。左が後円部、右が前方部。 南から。左が前方部、右が後円部。前方部はかなり削平されている。 南東から、不動…

島田石 つくば市金田

つくば市金田の八坂神社の境内にある島田石。圃場整備の際、掘り出されたもので、大正期の女性の結髪形「島田まげ」に似ていたため名づけられた。 別名「子持ち石」。「龍宮婦石」大明神といい、安産の守り神として、信じられているという。 もともとは古墳…

箱式石棺 野田市郷土博物館

茨城県常総市篠山字神子女(みこのめ)の神子埋古墳群から出土したと思われる箱式石棺が、野田市郷土博物館に展示されている。 野田市郷土博物館では特別展「野田に生きた人々 その生活と文化 2018」を開催していた。 「野田に生きた人々−その生活と文化−」野…

道作1号墳 現地説明会(8/26) 印西市小林

8月26日に千葉県印西市の道作1号墳(どうさく1ごうふん)の現地説明会に参加した。道作1号墳は利根川右岸、かつての香取の海の南岸、小林馬場の台地にある古墳時代後期の前方後円墳。20基ほどの古墳からなる道作古墳群で最大の古墳。全長約46m、高さ4m。6世紀…

明戸古墳 市川市国府台

江戸川左岸台地上の里見公園内にある前方後円墳。全長40m、後円部径21m、高さ5m。 前方部から後方部。 後方部から前方部。 夜泣き石。 亡霊の碑。 台地から江戸川の眺め。 バラ園。 市川市|里見公園 市川市|文化財(市指定)−明戸古墳石棺 文献 [1] 房総の…

弘法寺古墳 市川市真間

江戸川左岸の台地上、弘法寺(ぐほうじ)の境内にある前方後円墳。全長43m。6世紀後半から7世紀前半の築造。台地の崩壊で現在は半壊状態になっている。 前方部から後方部。 後方部。 前方部の崖側。 房州磯石の石棺。来歴は不明。 山門から参道の眺め。 市川市…

伝法院の石棺 台東区浅草

浅草寺の本坊の伝法院の庭園にある石棺。1868年に本堂裏にあった熊谷稲荷社が廃社され、その塚を崩した際に出土。凝灰岩。長さ2.5m。幅1.2m。高さ75cm。伝法院の庭園は普段は非公開。今年の特別拝観は5月7日まで。 考古学者の森浩一は「古代史津々浦々」で「…