8月26日に千葉県印西市の道作1号墳(どうさく1ごうふん)の現地説明会に参加した。道作1号墳は利根川右岸、かつての香取の海の南岸、小林馬場の台地にある古墳時代後期の前方後円墳。20基ほどの古墳からなる道作古墳群で最大の古墳。全長約46m、高さ4m。6世紀後半の築造と考えられていたが今回の調査結果から6世紀中ごろの可能性がある。昨年のレーダー探査で、後円部の墳頂と前方部に影が認められ、今回は後円部の墳頂を発掘、箱式石棺の筑波石の天井石3枚を検出した。追葬の跡があるが、未盗掘と思われる。今回の調査ではこのまま埋め戻す。埴輪を有する前方後円墳で、墳頂部に箱式石棺を設ける古墳は印旛郡内では類例がない。
後円部の墳丘軸に沿って設けられたトレンチ。墳裾部分に円筒埴輪を樹立させ巡らせていたと考えられる。
後円部の墳頂で検出された天井石。
天井石の2枚目と3枚目の間に隙間がある。
道作4号墳。円墳。径11m。
道作5号墳。前方後円墳。全長(推定)15m。
道作1号墳の後円部の墳頂から4号墳(右)と5号墳(左)。
鳥見神社(とみじんじゃ)。
道作古墳群(道作1号墳・4号墳・5号墳)[市指定記念物(史跡)] | 印西市ホームページ
道作古墳1号墳 埋設物確認調査現地説明会の開催 小林住みよいまちづくり会
文献
[1] 印西市教育委員会 2004 『平成15年度 印西市内遺跡発掘調査報告書』印西市教育委員会
[2] (財)印旛郡市文化財センタ− 2007 『財団法人印旛郡市文化財センター発掘調査報告書249:道作古墳群』(財)印旛郡市文化財センタ−
[3] 印西市教育委員会 2009 『印西市内遺跡発掘調査報告書』印西市教育委員会
[4] 印西市教育委員会 2010 『印西市内遺跡発掘調査報告書』印西市教育委員会
[5] 財団法人印旛郡市文化財センタ− 2011 『財団法人印旛郡市文化財センター発掘調査報告書295:道作古墳群(第2次)・馬場遺跡第5地点(第1次・第2次)』財団法人印旛郡市文化財センタ−
[6] 公益財団法人印旛郡市文化財センター 2014 『平成17年度から平成24年度 印西市内遺跡発掘調査報告書』印西市