日本全国の古墳の総数に関しては諸説あるが、「古墳にコーフン協会」のブログ(最新全国古墳の数、多い順ランキング!(平成28年度調査) | 古墳にコーフン協会)では文化庁の平成28年度の「埋蔵文化財関係統計資料」の「参考資料:平成28年度 周知の埋蔵文化財包蔵地数」の「⑧古墳・横穴」から「総数:159636 ※現存と消滅を合算した数です」として「現在、日本全国には約16万基の古墳がある!」としている。この数字は「まりこふん」さんもイベントなどで「全国のコンビニの約3倍」と紹介されているので、一般にも広まっている。例えば、大仙陵古墳(伝仁徳天皇陵)のある堺市のホームページの「仁徳天皇陵古墳百科」にも「全国に16万基以上はあるといわれる古墳」と記載されている。
文化庁の資料は都道府県から報告された「周知の埋蔵文化財包蔵地数」を文化庁が集計した資料で、細かいことを気にする性分の私は、「⑧古墳・横穴」の「周知の埋蔵文化財包蔵地数」を各都道府県がどのようにカウントしているのかがとても気になる。前述のブログではこの資料の数字で都道府県のランキングとして紹介しているが、この資料はそのような比較に使えるデータなのであろうか。
そこで手元にある千葉県と群馬県の文献と比較してみた。前述のブログでは千葉県は「4位)千葉県:12765」、群馬県は「11位)群馬県:3993」となっている。千葉県教育委員会が1990年にまとめた文献[1]では「古墳の計が8,665で横穴の計が4,129で総計が12,794」となっていて文化庁の資料とほぼ一致する。文献[1]で市町村ごとにまとめられた数字と古墳一覧表の一部のページを見ると古墳も横穴墓も1基を単位に集計しているようだ。一方、群馬県教育委員会が2018年にまとめた文献[2]では「古墳総数を13,249」としている。これだと群馬県は千葉県を抜いて4位になるのだろうか。
その他では「31位)東京都:714」が気になる。この件は明日に続く。
文献
[1] 千葉県教育委員会 1990「千葉県所在古墳詳細分布調査報告書」
ほら、「全国20位」って、このランキングを信じてもいいの?
国立歴史民俗博物館教授の松木武彦先生と共に4月14日(水)に茨城県の古墳を見学する日帰りツアー茨城県は全国20位の古墳がある都道府県で県域全体に点在していますが、特に集中しているのは霞ケ浦・北浦周辺と那珂川周辺です。https://t.co/RObbqjWTAA pic.twitter.com/NWU0ROz0Q5
— 三進トラベルサービス (@sanshin_travel) 2021年3月5日
やっと全国古墳の数最新版を編集できました。埼玉だけ内訳が分からなかった・・・長野も、数値は載っていたけど合計と合わなかったので、現存と消滅の数値を採用しました。#古墳の数 #古墳好き #古墳時代 #古代史 pic.twitter.com/NdUV0QWs4W
— 宇喜多黒猫(コフニストよっしー) (@blueleafpc) 2022年12月6日
文化庁のサイトで、周知の埋蔵文化財包蔵地数というものです。https://t.co/xbddutBtrz
— 宇喜多黒猫(コフニストよっしー) (@blueleafpc) 2022年12月6日