次に訪れた園生貝塚(そんのうかいづか)は、縄文時代中期末葉から晩期前半にわたり形成された大型貝塚で、南北径135m、東西径110m、北側に開口する馬蹄形を呈する。花見川と都川の間の標高30mの洪積台地上、南に千葉都市モノレール穴川駅、東に京葉道路穴川インターが隣接する。古くから知られ、最初の調査は1906年11月の東京人類学会第二回遠足(文献[1],[3],[4])で、坪井正五郎他約60名が参加した。終戦後に明治大学、日本考古学研究所、早稲田大学、武田宗久氏等が発掘調査を実施、また、千葉大学が1951〜1960年に、千葉市教育委員会が1989, 1990, 1994, 1995, 2008年に発掘調査を実施した(文献[3])。薮の中に千葉市教育委員会の説明板があり、10年前ぐらいまでは整備されていたとのこと。ところで、ここはなぜ史跡指定されていないのだろう。行政と地主の関係がうまく行っていないのかな? ここまで都市化が進むと史跡指定して公有地化するのも費用が問題になりそう。
園生貝塚 千葉県重要遺跡100選の内の一
園生貝塚全体図(文献[3]に加筆)
千葉市立加曽利貝塚博物館のパネル「千葉市内の縄文遺跡」の一部に加筆
千葉市史 第1巻 原始古代中世編 縄文晩期の遺跡 園生貝塚
千葉市の貝塚を見に行く
千葉県千葉市の園生貝塚 - 水野の縄文写真館
文献
[1] 村松瞭 他 1906「東京人類學會遠足會」『東京人類学会雑誌』第249号
[2] 千葉市教育委員会 1990 『埋蔵文化財調査(園生貝塚)報告書』千葉市教育委員会
[3] 財団法人千葉市教育振興財団埋蔵文化財調査センター 2010 『千葉市園生貝塚』千葉市教育委員会他
[4] 川村伸秀 2013「坪井正五郎―日本で最初の人類学者」
園生貝塚に来た。藪の放置っぷり。冬でないと来れんと言われる訳だ。 pic.twitter.com/SfAQ3IoLJu
— 小規模板工房 (@itakobo) 2018年12月1日
園生貝塚は、宮野木本谷から分岐する園生支谷の最奥部に位置し、標高25〜27mの舌状台地北端部に所在します。縄文時代中期末葉から晩期前半にわたり形成された大型の馬蹄形貝塚で、すでに、明治年間から「長者山貝塚」の名で学界に紹介されており、過去に行われた数度にわたる発掘調査によってその概要が明らかになっています。
貝塚の規模は南北約135m、東西約110mで、 幅25〜30mの貝層が馬蹄形状にめぐり、斜面に接する北西側に開口しています。 貝はオキアサリ・イボキサゴ・ハマグリを主体とし、最も厚いところでは2m近く貝が堆積しています。
多数の竪穴住居跡、土器拾場遺構、道路状遺構が検出され、注口土器、皿形土器、土版、土偶、岩偶、打製石斧、磨製石斧、石皿、石玉などが出土した他、埋葬人骨やシカ、イノシシ、サル、タヌキなどの獣骨、アザラシ、クジラ、イルカなどの海獣類の骨、コチ、クロダイ、ボラ、スズキなどの魚骨などが貝層中から検出されています。
有吉北貝塚北斜面貝層の学習ではイボキサゴの意義、その破砕の意義学習がポイントであると直観しています。そこで、千葉市埋蔵文化財調査センター展示の園生貝塚貝層剥ぎ取り断面のイボキサゴ破砕貝層を参考として観察しました。破砕片の貝層内下方移動がある?https://t.co/Pgm9bEjru8 pic.twitter.com/V3P8bhE59Y
— 荒木 稔 (@cooler0331) 2021年8月4日
遺跡紹介⑬
— 國學院大學考古學會 (@kokugakuin_arc) 2021年12月21日
千葉県:園生貝塚
縄文時代後期〜晩期の環状貝塚よ!
1906年、坪井正五郎氏を含む東京人類学会が発掘調査を行ったことで学史的にも有名ね。
10年前までは整備されていてわたくしもよく遊んでいたけれど...今は立ち入りが危険な状態よ。
散乱したお気持ち程度の貝しか見れないわ。 pic.twitter.com/5vXOqVIzNf
加曽利貝塚に行く前に千葉市の貝塚巡りしたら、犢橋貝塚(こてはしかいづか)と園生貝塚(そんのうかいづか)の石碑が同じ様式、文言で同日に建立されていた。その後、整備状況が雲泥の差で草。 pic.twitter.com/fzyf3lg4eo
— ぶじん(かんれき) (@kufunmeguri9) 2022年11月30日
ここは、モノレールとは言え、駅前にあって、史跡登録もされてないのに、奇跡的に残った場所ですよね。
— chiba_kofun (@yukio_0525_) 2023年1月6日
近年、発掘調査を行った千葉大学西千葉キャンパスのプレハブ内で、園生貝塚での資料が大量に見つかって、整理作業中らしいです。これらの知見が史跡登録への動きにつながればよいのですが...。 pic.twitter.com/HdzKqB8knc
横からすみません。
— こぶし はな (@MOMONGA0408) 2023年1月6日
昨年のですが、千葉市埋蔵文化財センターにはこのような解説がありました。
「国指定史跡候補」にはなっているようです。
生まれも育ちも千葉市ですが…なんでここだけ森が残ってるのか不思議だったんですよねー😅 pic.twitter.com/MMuVnc2nFn
モノレール穴川駅前という一等地にあり、私有地で、史跡登録もされていないものの現存している園生貝塚。今日、立ち寄ったら、以前、あった石碑が、、、。
— chiba_kofun (@yukio_0525_) 2023年5月4日
参考までに、Google mapの写真と比較を。このまま宅地化されたいといいけど、、、#園生貝塚#千葉市 pic.twitter.com/a8YUrbgMjT
以前、倒れたままだった園生貝塚の石碑が綺麗に直っていました。良かった!
— chiba_kofun (@yukio_0525_) 2023年12月4日
せっかく、天気も良いし、貝塚の周囲を一周歩いてきました。台地の縁にあり、いかにも貝塚が築かれそうな場所なのかな?史跡候補地なのに、まったく整備も進みませんが、とりあえず、開発もされてない。🤔 pic.twitter.com/aWhPhPyCKk