次に訪れた東寺山貝塚は、千葉市北部の標高約28m前後の台地上に位置している。貝層は直径約130mの範囲にわたって分布しているといわれ、環状の貝塚である。本格的な発掘調査は行われていないが、縄文時代中期・後期の土器や土偶、ハマグリ・アサリ・キサゴ・マガキなどの貝類、イノシシ・ニホンジカなどの獣骨、クジラの脊椎骨などが採集されている。縄文時代にクジラの漁が行われていたかどうかはよくわかっていないが、クジラの脊椎骨が一つの遺跡から1頭分そろって出土することはほとんどなく、東京湾の浜に打ち上げられたクジラを多くのムラで分け合っていたのではないかと考えられている。また、脊椎骨は、作業をする台としても使われたようである。
東寺山貝塚は、貝塚の中央部分が千葉県の史跡に指定され、みつわ台団地の中のみつわ台第一公園内に保存されている。
千葉県指定史跡 東寺山貝塚
所在地 千葉市若葉区みつわ台1丁目18
指定日 昭和55年2月22日葭川(よしかわ)本谷と廿五里(つうへいじ)支谷とに挟まれた広大な舌状台地の中央くびれ部分に位置し、中央部の標高は30mで、水田との比高は18mを測ります。
貝層の分布は直径130mの範囲に広がっており、2つの弧状の貝層堆積部が向かいあった形をしています。この遺跡は、まだ本格的な発掘調査が行われていないので、その性格や内容はほとんど不明ですが、表面散布の土器などによって、今から約5000年〜3500年前の縄文時代中・後期に属すると思われます。
貝類は、ハマグリ、シオフキ、キサゴを主体としており、貝層中からイノシシ、シカの骨やクジラの脊椎骨な どが発見されています。
千葉市立加曽利貝塚博物館のパネル「千葉市内の縄文遺跡」の一部に加筆
東寺山貝塚/千葉県
千葉市:東寺山貝塚(県指定史跡)
千葉市史 第1巻 原始古代中世編 縄文中期の遺跡 東寺山貝塚
千葉市の貝塚を見に行く