江戸東京博物館で開催中(12月9日まで)の企画展「玉 - 古代を彩る至宝 -」を観た。
古墳時代を中心に、ヒスイ、メノウ、碧玉、水晶、ガラス、コハクなどで作られた勾玉、管玉、垂飾など計74件(約1万2千点)を展示。生産地、製造工程の資料、玉飾りを付けた人物埴輪などもありわかりやすい。奈良県の藤ノ木古墳の国宝、銀製鍍金空玉(ときんうつろだま)や、重要文化財8件のほか、奥才34号墳の碧玉製勾玉(島根県)、上野1号墳のメノウ製勾玉(島根県)、車駕之古址古墳の金製勾玉(和歌山県)、出雲産のメノウ原石と碧玉原石など見所がたくさんあった。
主催は東京都、東京都江戸東京博物館、古代歴史文化協議会。古代歴史文化協議会は埼玉県・石川県・福井県・三重県・兵庫県・奈良県・和歌山県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・福岡県・佐賀県・宮崎県の14県が集まって設立した。協議会が平成26年度から調査研究した「古墳時代の玉類」の成果をまとめた本「玉 - 古代を彩る至宝 -」が出版されている。
9月1日に國學院大学博物館で副館長の内川隆志さんの「勾玉を語る」というテーマのミュージアムトークを聴講して古代の玉(タマ)について興味を持っていたので、今回の企画展は楽しめた。
ヒスイの産地で有名な糸魚川で、ヒスイが発見されたのは1939年。それまではビルマ産と考えられていたとこをこの時知った。
本展で展示されていた藤ノ木古墳の国宝、銀製鍍金空玉は、斑鳩町文化財活用センターで開催中の史跡藤ノ木古墳開棺調査30周年記念 平成30年度秋季特別展「史跡藤ノ木古墳と大和の家形石棺」でも展示中(12月2日まで)。銀製鍍金空玉は、金メッキが施された中が空洞の銀製の玉で、玉をつないで首飾りにしていたとみられる。藤ノ木古墳では10,000点を超える玉類が副葬されていた。
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