1933年(昭和8年)に道路工事中に発見された泉崎横穴。いくつかの横穴墓が発見された。4号横穴墓には玄室の壁面に赤色顔料で騎馬人物や馬、渦巻きなどの絵画が描かれていた。当時、東北地方で古墳時代の装飾壁画の発見は初めてで、翌年、国の史跡に指定され保存された。普段は公開されていない。毎年10月に公開日がある。今年は10月13日が公開日だった。
ガラス越し撮影できる。
泉崎横穴から出土した土師器甕、鉄刀、刀子、鉄環をJR泉崎駅近くの泉崎資料館で見学した。
この後、いわき市の中田横穴の装飾壁画を見学した。今年はたまたま同日に、泉崎横穴と中田横穴の装飾壁画の公開があった。福島県の装飾壁画としては他に双葉町の清戸迫横穴、相馬市の羽山横穴に装飾壁画がある。清戸迫横穴は原発事故の帰還困難区域にあり見学できない。保存のための空調も止まっている。昨年2月に学術資源研究公開センター総合学術博物館が詳細な3次元データを計測した。羽山横穴は震災以降は公開を中止していたが、再開していて今年は4,5,9,10月に公開日があった。
今年6月に訪れた江戸東京博物館で開催されていた「発掘された日本列島2018」の特集「装飾古墳を発掘する!」で、清戸迫横穴と羽山横穴が紹介されていた。
文献
[1] 日下八光 1998「東国の装飾古墳」雄山閣出版
7世紀 #装飾古墳 の北限、#清戸迫(きよとさく)横穴の彩色壁画3Dデータと収録のようす。およそ15年前から侵食が確認され保存工事が始まりましたが、福一から近い双葉町は当時、帰宅困難区域に。総合学術博物館ではこれを3Dデータで保存。壁画は一人の人物の生涯を描いたものともいわれています。 pic.twitter.com/LpUJ8p5iy8
— 東北大学総合学術博物館 (@Tohoku_U_Museum) 2020年7月14日