実穀(じっこく)古墳群は、乙戸川左岸の標高約22〜24mの台地上(だめき古墳から東に約450m)に位置し、南西に臨む乙戸川岸の水田との比高は約7m。1995年(平成7年)10月から翌年3月まで、住宅・都市整備公団の荒川本郷地区特定土地区画整理事業に伴う記録調査が行われた。調査前は4基からなる古墳群とされ、その内の1基(4号墳)が調査区西部にかかるため調査を行った。また、調査区東部で新たに3基の古墳(6〜8号墳)と1基の塚(旧5号墳)を検出した。なお、調査対象外の3基(1号墳から3号墳)は現状保存されている。7基の古墳は全て円墳。古墳群の西端に4号墳、未調査の1〜3号墳を挟んで、東に6、7、8号墳と並ぶ。4号墳と6号墳が5世紀末から6世紀初頭、7号墳が6世紀中葉、8号墳が6世紀後半の築造。規模は周溝内径で約10.1〜16m。4号墳では墳頂部から2基の埋葬施設(木棺、粘土槨)、6号墳では墳頂部から1基の埋葬施設、7号墳では周溝内から埋葬施設2基、8号墳では墳丘裾部から朝顔型円筒埴輪を伴う土坑が検出された。遺物は土師器、須恵器、埴輪、石製模造品、ガラス小玉、直刀、鉄鏃、刀子を検出。
阿見町名所百選 実穀小学校地区 | 茨城県阿見町ホームページ
実穀1号墳、円墳(径23m、高さ3.6m)
実穀2号墳、円墳(径18.5m、高さ4.5m)、墳頂に天満宮を祀る。
実穀3号墳、円墳(径14m、高さ2m)
文献
[1] 財団法人茨城県教育財団 1999 『茨城県教育財団文化財調査報告144:実穀古墳群・実穀寺子遺跡1』財団法人茨城県教育財団