週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

デーノタメ遺跡 北本市下石戸下

デーノタメ遺跡に寄り道。この後、訪れたある博物館で、北本市役所で企画展を開催中と知り、訪れたらデーノタメ遺跡を特集していてびっくり。

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デーノタメ遺跡〜縄文のタイムカプセル〜

1 デーノタメ遺跡とは

デーノタメ遺跡は、縄文時代中期から後期(約5,000年前〜約3,800年前)にかけて、 およそ1,200年にわたって営まれた集落遺跡です。

遺跡は縄文時代中期と後期の集落が大規模で、これらの集落に隣接して低地遺跡がセットで残っていることが特徴です。低地から出土した漆製品や植物の種実などは、その量と質が優れており、全国的に注目を集めています。

2 関東を代表する大規模集落

縄文時代中期の集落は、中央に広場を設け、広場を取り囲むように竪穴住居が配置されるため、「環状集落」 と呼ばれています。デーノタメ遺跡では、この環状集落のほぼ全体が残されていることが確認されており、その大きさは長径約210m、短径約160mで、「関東最大級」の規模を誇ります。

また、後期の集落は浅い谷に沿って弧状に展開し、弧の直径が約270m、幅約60mの規模で、後期の集落も大規模であることがわかっています。

3 低地遺跡

低地遺跡では縄文時代の水辺空間が広がり、漆塗上器やクルミトチノキなどが多量に見つかりました。このほかに木材や微細な種実なども出土し、縄文人が何を食べ、どのように植物資源を利用していたのかを推測することができます。

また、中期から後期の泥炭層が途切れることなく堆積しているため、当時の気候や植生の変化などを明らかにすることができます。

4 デーノタメ遺跡の特徴

デーノタメ遺跡の特徴をまとめると、以下のとおりとなります。

  1. 縄文時代中期と後期の集落が大規模であること。
  2. 縄文時代中期から後期の集落と水辺空間がセットで残っていること。
  3. 縄文人がクリやクルミなどの植物資源を管理していたこと。
  4. ウルシの林を管理し、高度な漆の工芸技術をもっていたこと。
  5. 1.〜4.の特徴を有する遺跡は全国でも稀であること。

「デーノタメ」の由来

「デーノタメ」とは、昭和40年代までこの地に残されていた、ため池の名前です。豊富な汚水(デスイ)によるため池という意味であろうといわれています。 縄文時代にあっても、人々の生活に欠かせない水源であったと考えられています。

令和2年3月10日 北本市教育委員会

文献

[1]  北本市教育委員会 2017 『北本市埋蔵文化財調査報告書21:デーノタメ遺跡北本市教育委員会

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