6年前に、東松山市の高坂館跡・高坂二番町遺跡の発掘調査の見学会に参加した。その時の説明で、調査区は調査終了後に公園となるとのことだった。それから、訪れる機会がなかったが、6年ぶりに訪れたら、さくら坂公園として整備されていた。駐車場もトイレも遊具もある。ところで、高坂館跡・高坂二番町遺跡の発掘調査の報告書は発行されているのだろうか? 発掘調査の見学会のときに、遺構は埋め戻して保存するのかと、説明を担当された方(たぶん市の学芸員の方)に質問したら、破壊を前提とした記録調査とのことだった。当時は、発掘調査の見学会(現地説明会)に参加するのは人生2回目だったので、かなりショックを受けた。 東松山市教育委員会の説明板には「昔の人の歴史を未来に伝えていくために、この文化財を大切にしましょう。」とあるが、この公園の下に遺構は保存されているとは書かれていない(高坂2号墳が保存されていることは書かれている)。実際はどうなのだろう。文化財は大切にされているのだろうか?
高坂2号墳
遺跡がいっぱい! 公園で見つかった歴史 〜高坂館跡・高坂二番町遺跡〜
発掘調査で、弥生〜江戸時代までの様々な遺構・遺物 がみつかりました。
古墳時代初めごろ(約1700年前)につくられた、一辺が8mもある大きな住居跡からは土器のほか、勾玉もみつかりました。集落の中心的な役割を持つ施設と考えられます。
古墳時代後期(約1500年前)の古墳跡からは、円筒埴輪・朝顔形埴輪のほか、盾を持ち、古墳を守る人を表現した埴輪(盾持人埴輪)もみつかりました。
墳丘(古墳の盛り土)が残っている高坂2号墳は公園内(この看板の右手奥)で大切に保存してあります。
中世・武士の館跡もみつかりました。特に戦国時代の堀跡は、深さ3mもあり、戦乱の世のすさまじさを物語る遺構です。
昔の人の歴史を未来に伝えていくために、この文化財を大切にしましょう。
- さくら坂公園(さくらざかこうえん) - ひがしまつやま公園ガイド - 東松山市公式ホームページ
- 東松山市文化財保存活用地域計画が文化庁に認定されました - 東松山市公式ホームページ
- 土地区画整理事業 - 東松山市公式ホームページ
- ニュータウン事業完了地区のご紹介 | UR都市機構
東松山市文化財保存活用地域計画(東松山市教育委員会、令和6年3月)より
埼玉県立さきたま史跡の博物館の企画展「盾持人埴輪の世界」で展示された高坂館跡・高坂二番町遺跡1号古墳跡出土の盾持人埴輪