貝塚で唯一の国の特別史跡に指定されている加曽利貝塚で今年(平成30年度)の発掘調査が8月7日から行われ、最終日の11月24日に現地説明会があった。
加曽利貝塚は、直径140mでドーナツ形をした縄文時代中期の北貝塚と、長径190mで馬蹄形をした縄文時代後期の南貝塚からなる日本最大級の貝塚。
調査地点は昨年に引き続き、1964年の調査で縄文時代晩期の縦穴住居跡が検出された南貝塚のIVトレンチとVトレンチの交点の区画。調査面積は25 mx28mで昨年より南に3m拡張。
最初に南貝塚の貝層断面観覧施設を見学。
南貝塚の中央で説明を聞く。
1964年の調査時の写真。右に見える鉄塔の上から撮影したとのこと。
1964年調査時のIVトレンチを西から。手前の穴は土坑。見えている貝層は1964年の調査時に埋め戻されたもの。白い線は溝と縦穴住居跡を示す。
北側中央の縦穴住居跡を北から。縦に掘られているのが1964年調査時のVトレンチ。住居跡の東側の一部がVトレンチで調査されていた。去年と今年は住居跡の全体を調査。
住居跡を東から。今年の調査でここから、炉跡や獣骨、土製耳飾りと石剣3本を検出。昨年も土製耳飾りを検出。
1964年調査時のIVトレンチを東から。調査区の中央南よりに北側の縦穴住居跡の約2倍の径の縦穴住居跡が見つかった。この住居跡の調査は来年に持ち越し。
この後、発掘調査で出土した遺物を見学。遺物の写真は公開NGとのことなので加曽利博物館のTwitterの投稿を貼っておく。この耳飾りは群馬県の千網谷戸遺跡から持ち込まれたものではないかとのこと。
明日11/24(土)は #加曽利貝塚 の発掘調査現地説明会を行ないます。今年度の発掘調査で出土した土製耳飾や石剣などの特殊な遺物をどこよりも早く一般公開!また普段は入れない調査区の中で、住居跡等の遺構を間近で観ることができます。https://t.co/ANMRIeyS43 #千葉市 #考古学 #縄文 #貝塚 #発掘 pic.twitter.com/piMSFbqgub
— 加曽利貝塚博物館 (@kasori_jomon) 2018年11月23日
発掘調査現地説明会、そろそろ午前の部は終了となります。13時から再開します。今年度の調査で出土した遺物に加えて、過去の発掘調査で出土した遺物も間近でご覧いただけるチャンスです!屋外での見学となりますので、暖かい服装でお越しください。#加曽利貝塚 #発掘調査 #千葉市 #縄文 pic.twitter.com/jUBul9YMk4
— 加曽利貝塚博物館 (@kasori_jomon) 2018年11月24日
発掘調査現地説明会から一夜明けた現場です。27日から埋め戻し作業に入りますので、この光景も明日で見納めとなります。発掘調査の進捗をご紹介する「発掘調査日誌」(今年度は全76回)を公開しています。日々の記録をぜひご覧ください。https://t.co/UeGnAQnWym #加曽利貝塚 #発掘調査 #千葉市 #縄文 pic.twitter.com/lfJquanHZj
— 加曽利貝塚博物館 (@kasori_jomon) 2018年11月25日
南貝塚の貝層断面の一部を6月に江戸東京博物館の「発掘された日本2018」展で見学した。
文献
[1] 松田光太郎 2018「特別史跡加曽利貝塚発掘調査速報」『平成29年度千葉市遺跡発表会』