週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

華ひらく律令の世界 神奈川県立歴史博物館

神奈川県立歴史博物館で開催中された「令和5年度かながわの遺跡展 華ひらく律令の世界」を会期の最終日に鑑賞した。直前に川崎市の白山古墳出土の三角縁神獣鏡が展示されていると知り、慌てて日程調整してなんとか滑り込みで鑑賞することができた。残念だったのは、好評だった無料頒布のパンフレットが最終日の早い時間で品切れとなり貰えなかったこと。PDFで公開予定とのことで期待している。

川崎市の白山古墳は4世紀後半頃に築かれた武蔵国でも最も古い大形の前方後円墳。全長87m。1937年に発掘調査され、遺体を安置した主体部からは鏡類・玉類・鉄器類など多量の副葬品が発見された。多摩川流域では唯一の「初期」の三角縁神獣鏡が出土している。三角縁神獣鏡慶應大学が所蔵。この三角縁神獣鏡京都府椿井大塚山古墳と同笵鏡で畿内との結びつきが強い古墳と言える。この同笵鏡は山口県竹島古墳、福岡県神蔵古墳から出土している。初期の三角縁神獣鏡平塚市の真土大塚山古墳からも出土している。白山古墳は1942年に土取り工事のため湮滅。現在の川崎駅付近の多摩川の旧河道に沿って残っていた湿地の埋め立てに使われたらしい。真土大塚山古墳出土の三角縁神獣鏡東京国立博物館で公開されているが、白山古墳出土の三角縁神獣鏡が公開されたのは久しぶりではないだろうか。レプリカは川崎市幸区役所の日吉出張所に展示されているらしい。今回の展示では三角縁神獣鏡以外にも、白山古墳から出土した小型銅鏡4面、勾玉、管玉、ガラス製丸玉が展示された。

また、伊勢原市の三之宮郷土博物館所蔵の登山古墳出土品(直刀、柄頭、鍔、鉄鏃、雲珠、杏葉、五獣形鏡、有蓋脚付銅鋺、土師器(坏)、須恵器(高杯))も展示された。これらは三之宮郷土博物館で公開されているが、三之宮郷土博物館では撮影禁止。本展では撮影可能となっていてありがたい。

本展は、神奈川県教育委員会主催の「かながわの遺跡展」として、本年度は茅ヶ崎市博物館の茅ヶ崎会場と、神奈川県立歴史博物館の横浜会場の2会場、2会期で、「華ひらく律令の世界」として、中国で整備された国家の法規制「律令」が日本に導入された7世紀後半以降の飛鳥・奈良・平安時代の遺跡についてとりあげ、神奈川県内で律令制度がどのように浸透していったのかを考古学の成果から明らかにする。特に川崎市「橘樹官衙遺跡群(たちばなかんがいせきぐん)」や茅ヶ崎市「下寺尾官衙遺跡群(しもてらおかんがいせきぐん)」などの官衙遺跡とその周辺の遺跡について注目して、こうした地方の役所が地域に造営された背景について考える。

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