週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

長柄横穴墓群(その1) 長柄町徳増

春の桜が咲く頃、誘われて、房総半島のほぼ中央に位置する長柄(ながら)町の長柄横穴墓群と長南(ちょうなん)町の米満横穴墓群を探索した。この地域は、太平洋に注ぐ一宮川の上流にあたり、複雑に開析された入り組んだ谷津が多く、笠森層とよばれる暗青色の凝灰質砂岩層が分布し、横穴墓が集中する。また、この地方には上総地方に特徴的な「高檀式(こうだんしき)」とよばれる羨道と玄室の高さが著しく差のある特有の形態の横穴墓が多い。

長柄横穴墓群は、1980年に16基が長柄町横穴群徳増(とくます)支群として県指定史跡となり、1993年に千葉県教育委員会が重要遺跡確認調査を実施(文献[1])、1995年に35基が国の史跡に指定された。1998年に新たに1基が発見され、2支群9小支群で構成される36基が国の史跡指定を受ける。長柄町は1998年に長柄横穴墓群の保存整備の基本方針を計画、第1支群(4小支群、21基)について整備を進め、2010年に史跡長柄横穴墓群資料館が開館、豊富な内容(鳥、家、五重塔など)をもつ線刻壁画で知られる第13号墓玄室の実物大模型や第18号墓から出土のした須恵器フラスコ型提瓶(ていへい)、長柄横穴墓群の北側に位置する千代丸・力丸横穴墓群から出土した土器などを展示する。

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史跡長柄横穴墓群資料館
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史跡長柄横穴墓群

★史跡長柄横穴墓群は、36基の横穴墓が国の史跡として指定されています。
★横穴墓は、古墳時代につくられました。
★第1支群について見学することができます。

長柄横穴墓群の第1支群の第2小支群(第5〜12号墓)の8基。
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第2小支群

第2小支群は、第5〜12号墓の8基の横穴墓があります。
第6・7号墓の玄室には、先刻画が描かれています。
また、第6・8・9号墓は、遺体を置いた場所のみが高くつくられています。

長柄横穴墓群第5号墓、南に開口、縦アーチ型、棺座1
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長柄横穴墓群第6号墓、南に開口、縦アーチ型、棺座3、線刻画、見学不可
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長柄横穴墓群第7号墓、南西に開口、縦アーチ型、棺座3、線刻画、見学不可
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文献

[1] 財団法人千葉県文化財センター 1994 『千葉県文化財センター調査報告259:長柄町横穴群徳増支群発掘調査報告書』財団法人千葉県文化財センター

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