羽生市の「街の中に古墳があるまち」に紹介されている埋没古墳の小松古墳群の1号墳を訪ねた。埋没古墳なので、現地を訪れても墳丘が見つかるわけではない。墳丘も地面の下に埋まっている。場所は、小松神社の西隣。 1979年の下水道工事中に地表下1.2mから主体部(石室)が発見され小松1号古墳として発掘調査が行われた。石室の棺床面は約3mの深さ、胴張り複室構造の横穴式石室でほぼ南に開口、 床から鉄刀や装身具類が出土。7世紀前葉と考えられる。小松古墳群は、関東造盆地運動での沈降と河川の氾濫土の被覆で、その多くが埋没していると考えられる。文献[3]では「小松古墳、円墳、自然堤防・畑、直刀・鉄鏃・耳環・玉、埋没古墳、横穴式石室」
小松神社
埋没古墳の石室が見つかった下水道工事の場所は神社の西側の公園の先の道路。
文献
[1] 谷口孝悦・瀧瀬芳之 1981「小松古墳群1号墳」『埼玉考古』第32号 埼玉考古学
[2] 細野衛、他 1989「利根川沖積低地地下に埋没した小松古墳の基盤について」第四紀研究 第28巻 第2号 日本第四紀学会
[3] 埼玉県教育委員会 1994「埼玉県古墳詳細分布調査報告書」
[4] 塩野博 2004「埼玉の古墳 北足立・入間」さきたま出版会