鳥居原狐塚古墳の西約500mの大塚古墳と伊勢塚古墳を訪ねた。この2基の古墳は、平成7年に山梨県教育委員会が、文化庁の国庫補助を受け、学術調査を実施した。大塚古墳では、墳丘測量図化と墳丘周囲の各所にトレンチを設けて、墳形及び墳丘規模の確認調査を行った(文献[1])。築造時の周溝を含む全長約61mの帆立貝式古墳、後円部径約39m、盾型の周溝、前方部北側に竪穴遺構が確認され、後円部と前方部の二ヶ所に石室を持つ、円筒埴輪片が周溝と竪穴遺構内からまとまって出土、前方部の耕作による掘削土から管玉、鉄鏃・鉄刀・挂甲小札などの鉄製品を検出。











県指定史跡 大塚古墳
文化財指定 平成9年6月12日
大塚、北原古墳群の内の一基です。帆立貝式と呼ばれるもので、前方後円墳の前方部を小さくした形をしています。
全長は現状で約40メートル、高さは後円部で約4メートルです。
普通、前方後円墳や帆立貝式古墳では後円部に埋葬施設が築かれますが、この古墳では後円部と前方部の両方で竪穴式石室が発見されました。前方部の石室からは鈴釧、六鈴鏡、短甲、鉄鏃、直刀などの副葬品が発見されました。
墳丘には葺石、円筒埴輪を備えていたことがわかっています。
カエルの卵?
文献
[1] 山梨県埋蔵文化財センター 2001 『山梨県埋蔵文化財センター調査報告書193:大塚古墳』山梨県教育委員会
[2] 山梨県立考古博物館 2022「甲斐勇者 -その原像を探る-」
\ 告知 /
— 山梨県立考古博物館 (@yamanashi_kouko) 2025年3月14日
4月19日㊏~6月15日㊐の期間に、
🌸春季企画展🌸
「帆立貝古墳のミステリー
ー三珠大塚古墳と甲府盆地の5世紀ー」
を開催します📢
近年の再調査成果をもとに、謎に包まれた帆立貝古墳・三珠大塚古墳と甲府盆地の古墳時代にせまります🧐
観覧は無料、詳細は⬇️https://t.co/6dh4VhGGkS pic.twitter.com/fSE6dq6wBd
\明日から🌸/
— 山梨県立考古博物館 (@yamanashi_kouko) 2025年4月18日
春季企画展「帆立貝古墳のミステリー─三珠大塚古墳と甲府盆地の5世紀─」がスタートします🤗
本展では、帆立貝古墳とは何か?を皮切りに、およそ1600年前の甲府盆地の様子と再調査で明らかになりつつある三珠大塚古墳の謎に迫ります🔎
観覧無料、詳細は⬇️https://t.co/6dh4VhHeaq pic.twitter.com/XG9sdPsPJU
春季企画展「#帆立貝古墳のミステリー」より鈴付銅器@三珠大塚古墳(市川三郷町教育委員会蔵)
— 山梨県立考古博物館 (@yamanashi_kouko) 2025年5月1日
東日本に偏って分布し、9例の存在が知られています。
古墳時代前期の腕輪形石製品などをモデルに復古的に創られたと考えられますが、いまだ謎の多い遺物です。
…ちょっと海の生き物っぽくもみえる🤔 pic.twitter.com/tv5I8BaLxe
コチラは三珠大塚古墳から出土した2つの甲(よろい)のうちの1つ(市川三郷町教育委員会蔵)
— 山梨県立考古博物館 (@yamanashi_kouko) 2025年5月3日
横矧板鋲留短甲(よこはぎいたびょうどめたんこう)といい、近畿地方で大量生産され各地に配布された国産の甲とみられています。こうした副葬品により、被葬者が倭王権に仕えた武人であったことがうかがえます⚔️ pic.twitter.com/0CqPX04YJH
春季企画展「#帆立貝古墳のミステリー」より埴輪いろいろ(市川三郷町教育委員会蔵ほか)
— 山梨県立考古博物館 (@yamanashi_kouko) 2025年5月10日
甲府盆地では大型古墳築造の停止に伴い、古墳時代中期前半までに埴輪作りの伝統が一度途絶えましたが、その後、帆立貝古墳の築造にあたって改めて外部から工法を学習し、埴輪を復活させました。➡️ pic.twitter.com/cJByRK0qUQ
➡️三珠大塚古墳の円筒埴輪は突帯4条5段で構成され、復元品のほとんどが高さ約60cm・口縁部直径30cm程度でまとまる規格品です。よくよくみると出来の良いものとそうでないものがあり、外部から教えに来た指導者的存在とそれを模倣する者との間の技術差や、試行錯誤の様子がうかがえます🤔#古墳 #埴輪 pic.twitter.com/EFrUlGugBO
— 山梨県立考古博物館 (@yamanashi_kouko) 2025年5月10日