週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

バックヤードツアー(3/25) 横浜市歴史博物館

メルマガ「よこはま歴史かわら版」で知った横浜市歴史博物館のイベント「バックヤードツアー」に参加した。バックヤードツアーは、ラストサタデープログラムとして定期(2ヶ月毎?)開催されている。定員10名で抽選とのことだったが、この日の参加者は4名。博物館は築約30年(1995年1月31日開館)、地上6階地下1階、鉄骨鉄筋コンクリート造。1階エントランスホールに集合後、3階の部屋で簡単な説明の後、ツアーがスタート。1階に移動して、荷解搬入室、燻蒸室、写真室、保存処理室を見学。荷解搬入室の搬入トラックを入れる前後二重のシャッター、荷下ろし用の昇降台など、博物館ならではの設備に納得。燻蒸室の燻蒸はかつては燻蒸剤が使用されていたが環境への影響から二酸化炭素による燻蒸に変更されたとのこと。地下1階に移動して、監視室とボイラー室を見学。冷水と温水で室温を調整。4階に移動して考古収蔵庫を見学。見学できるのは収蔵庫の前室で、収蔵庫内をガラスの小窓越しに見学。前室にはテンバコが積まれていた。最上段のテンバコの中身は土師器片か。収蔵庫は、エントランスホールの真上のタワー状の部分(4階から6階まで)で、4階が考古(主に石器・土器等など劣化しにくいもの)、5階が歴史(主に文書)、6階が民俗(民具など)と目的別に管理している。3階に移動して、歴史作業室、考古・民俗作業室を見学。2階に移動して研究室、情報処理室、書庫、図書閲覧室、展示室裏の部屋を見学。研究室は土曜日なので人が少なかったが、ここが学芸員の居室、情報処理室で、展示室のパネル等を内製しているとのこと。図書閲覧室は入館者も利用できるエリアで、ここで裏の世界から表の世界に戻る感覚。ハリーポッターキングスクロス駅の9¾番線ホームみたい。以上でツアーが終了。所要時間は約30分、残り約60分はツアーを担当された学芸員が何をされるのか決めているそうだ。今回、担当していただいた学芸員は中世が専門。3階の部屋で、中世の古文書「北条氏船手判朱印状(1574(天正2)年7月10日)」の現物を見ながら、文書の形式、内容、時代背景等を解説していただいた。特徴は袖部に船手判(印文「船」)を貼っていることで、同年同月日付のものが他に2点確認されていて、いずれも伊豆半島西海岸の地区宛て。発行者は北条氏で虎朱印が押印されている。背景は武田氏、北条氏、今川氏の抗争、同盟による海運(海賊衆)の統制。本文書の形式は、和紙を横長(竪紙)にして中央を上下に折り両面を使用する折紙(おりがみ)という形式。今は、元の横長(竪紙)の状態に展開されている。裏にあたる下半分は未使用(文字が書かれていない)。下半分の中央だけが白く、他の部分と劣化具合が異なる。これは本文書を入手した蒐集家が未使用の下半分を切断、上半分を表装、その際に下半分の両端を切断して表装の耳として使用、この表装された状態で博物館が購入、購入後に博物館が元の姿に復元、失われた部分は解るように白い和紙使用したとのこと。埴輪の復元と同じ手法。なるほど面白い。古墳好きとしてはすぐに古墳に結び付けたがるが、海運の話は古墳時代にも同じようなことがあったのではと妄想する。伊豆半島の根元の沼津の高尾山古墳や、三浦半島の根元の長柄桜山古墳群など。ちなみに、本文書の時代の印は木製とのこと。ちょうど、山梨県立博物館が企画展「印章-刻まれてきた歴史と文化」を開催中。期間限定で国宝金印「漢委奴国王印」が展示されていた。

海岸線は国境(くにざかい) ~江梨鈴木家文書(えなしすずきけもんじょ)からみた海上交通~ | 神奈川県立歴史博物館

北条家朱印状 | 神奈川県立歴史博物館

北条氏の印判 | 神奈川県立歴史博物館

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20230325_バックヤードツアー | 横浜市歴史博物館

バックヤードツアー(3月)
日時 2023年3月25日 (土)14:00~(所要時間約90分予定)
場所 横浜市歴史博物館 1階エントランス奥
内容 普段は見られない博物館の裏側を見学します。ホンモノの資料に出会えるかも?
費用 一般1,000円/中学生以下500円
定員 10人(小学生以上)
申込方法 抽選 WEB申込
申込締切 3月21日(火)17:00

 

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