週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

山の根古墳群と三ノ耕地遺跡 吉見町久米田

山の根古墳群の山の根1号墳は、吉見丘陵南端の尾根の上に、前方部を南に向け、三ノ耕地遺跡のある沖積低地を見下ろすように立地する。前方後方墳。墳長54.8m。墳丘は地山の削り出しと、盛り土で形成。4世紀前葉の築造。三ノ耕地遺跡の墳墓群との連続性が想定される。

道端の馬頭尊
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前方部の墳丘上
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後方部の墳丘上
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山の根1号墳の北東近くに山の根2号墳。方墳。28mx26.2m。前方後方墳と方墳の組み合わせは鷺山古墳群と同じ。
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吉見丘陵直下に広がる低地の自然堤防上に位置する三ノ耕地遺跡。弥生時代から古墳時代前期(3世紀代から4世紀前半)の前方後方形墳丘墓3基と方形周溝墓群(28基)が検出されている。3基の前方後方形墳墓は、南から3号墳(墳長推定25m)、2号墳(墳長推定30m)、1号墳(墳長推定48.8m)と規模を大きくするとともに前方部も長大化する。
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昨年、朝霞市博物館で開催された企画展「朝霞から見る古墳の出現 〜方形周溝墓から古墳へ〜」で山の根古墳と三ノ耕地遺跡から出土した東海西部地域や近畿地方との関わりが見て取れる高坏や壺を見学した。

文献

[1] 埼玉県 1982「新編埼玉県史 資料編 2 原始・古代 弥生・古墳」

[2] 埼玉県県史編さん室 1986『埼玉県古式古墳調査報告書』埼玉県県史編さん室

[3] 近藤義郎 1994『前方後円墳集成 東北・関東編』山川出版社

[4] 利根川章彦 1995「吉見町山の根古墳の年代について」埼玉県立さきたま資料館「調査研究報告」第8号

[5] 宮川進 1997「さきたま古墳めぐり」さきたま出版会

[6] 利根川章彦 2012「『埼玉の古墳出現』断章埼玉県立さきたま史跡の博物館紀要 第6号

[7] 埼玉県立さきたま史跡の博物館 2017「埼玉の古墳 1 比企・入間」

[8] 朝霞市博物館 2019「朝霞から見る古墳の出現 〜方形周溝墓から古墳へ〜」

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