週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

古墳時代の祈りのカタチ 藤岡歴史館

藤岡歴史館で開催中の秋季企画展「古墳時代の祈りのカタチ -白石稲荷山古墳と群馬の石製模造品-」を鑑賞した。本展は、藤岡市域、また群馬県域の資料を中心に石製模造品を用いたマツリの導入と盛行のようすについて考える。石製模造品は、古墳時代のマツリで使われた祈りの道具で、古墳時代前期(4世紀後半)に奈良盆地周辺で生み出され、古墳時代中期(5世紀)には、関東地方を中心に流行し、古墳時代中期を代表する遺物の一つとなる。石製模造品の原料である滑石や蛇紋岩などの軟質石材は産地が限られ、群馬県域は軟質石材の産地で、5世紀代には石製模造品分布の中心になる。

また、本展では、約1世紀の時を経て白石稲荷山古墳の出土品が東京国立博物館より里帰り。白石稲荷山古墳は1933年(昭和8年)に後藤守一(当時 帝室博物館調査官)によって発掘調査が行われ、未盗掘であった西槨から多量の石製模造品が古墳へ納められたそのままの状態で発見された。このときの出土品は、帝室博物館(現在の東京国立博物館)によって買い上げられた。

白石稲荷山古墳の出土品だけでなく、伝 十二天塚古墳の滑石製合子(ごうす)、刀子形・杵形・剣形石製模造品、滑石製臼玉、水鳥形注水土器なども展示。水鳥形注水土器がかわいかった。國學院大學博物館蔵の日下ヶ塚古墳(茨城県大洗町)出土の石製模造品や、大戸宮作1号墳(千葉県香取市)出土の常総型石枕・石製立花・刀子形石製模造品なども参考出展されていた。

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主な展示資料

藤岡歴史館秋季企画展のお知らせ/藤岡市

ColBase 収蔵品検索 白石稲荷山古墳出土 東京国立博物館収蔵

 

ありがたいことに10月8日に開催された令和5年度白石稲荷山古墳発掘調査現地説明会配布資料を藤岡歴史館で入手できた。今年度は、古墳の外側を巡る“基壇”と呼ばれる附属施設の存在やその形状を確認するため、4本のトレンチを設定して調査を進めているとのこと。

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