殿部田古墳群は、栗山川を東に望む台地上に位置する古墳群で、前方後円墳5基、円墳21基、方墳1基が確認されている。圏央道建設により3基の古墳が調査された。昨年3月に発行された『房総の文化財』vol.62に古墳群東側に所在する15号墳と19号墳が紹介されているので、現地を訪ねた。15号墳は全長約35mの前方後円墳。19号墳は径約14mの円墳。
化粧木の由来
工事中のトンネルの入り口には化粧木(けしょうぎ)と呼ばれる反り返った木が飾られており、これは、伊勢神宮本殿の屋根の飾り木が元となっています。その起源は山の神に対する信仰心と安全祈願にあり、 三尺六寸分(約1.2m)の太い松やヒノキを横にして、両端は角のように加工されています。
化粧木の右側の根本部には天照大神、左側の木の先の部分にはウガヤフキアエズの命 (神武天皇の父親)を祀るとされています。
トンネル入り口に、岩盤が崩れないように支えをし、土のうを積み、その上に石で化粧木を支え、儀式として神主による祝詞を行うとされていますが、現在は略式の場合が多いようです。
※国土交通省東北地方整備局 福島河川国道事務所 信夫山国道出張所より
海外のトンネルではSt. Barbaraと呼ばれる女神像を祭っています。
文献
[1] 濱名 徳永 1980 『芝山はにわ博物館研究報告6:上総殿部田古墳』芝山はにわ博物館
[2] (財)山武郡市文化財センタ− 2008 『財団法人山武郡市文化財センター発掘調査報告書101:境貝塚・山ノ台遺跡・儘田台遺跡・殿部田古墳群』(財)山武郡市文化財センタ−