週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

半導体の歴史学 Newsweek(2023/8/29号)

ニューズウィーク日本語版の2023年8月29日号の特集『半導体歴史学』を読了。

スペシャルレポート「半導体を知るためにはその歴史を学べ」では、1957年のスプートニク・ショックに端を発し、宇宙開発競争の開始、コンパクトで信頼性の高い電子部品として半導体開発が加速、1969年にアポロ11号が月面着陸、1973年のオイルショックベトナム戦争で米軍が南ベトナムから撤退、1980年代までに半導体製造で日本がアメリカを抜き世界一に、プラザ合意(1985年)による円高、日米半導体摩擦・日米半導体協定締結(1986年)、台湾TSMC創業(1987年)、日本のバブル崩壊(1991年)、ソ連崩壊・冷戦終結(1991年)、台湾海峡危機(1995年)、その後のTSMCは急成長して圧倒的シェアを獲得、中国の半導体産業育成策と米国の対中半導体輸出規制、中国の中台統一の野望と破壊的なリスクを概説。

スペシャルレポート「元技術者が見た日本半導体の栄華盛衰」では、湯之上隆氏が「日本半導体産業が復活する」という世論の盛り上がりに対し、1980年代に日本が世界を制したのはDRAMで、TSMC熊本工場やラピダスが生産するのは先端ロジック半導体だから「復活」ではなく「挑戦」で、挑戦が成功するかについては、政府が国内の半導体工場に助成しても日本の半導体シェアは上がらないこと、ラピダスが2nmのロジック半導体を量産するのは不可能とする。不可能の根拠は、とびきり優秀な技術者1500人程度を確保することの困難さ、EUVを使いこなすことの困難さ、生産委託するファブレスの不在をあげ、税金ばら撒き政策を批判する。

寄稿「TSMCの30年、台湾半導体の30年(林宏文)」では、世界の半導体の7割が台湾で製造されていること、TSMCだけで世界市場の58.5%、先端半導体では実に9割にもなることを示し、TSMCがいかに成功したか探る。世界の半導体産業が垂直統合から水平分業へ、設計と製造の分業へとビジネスモデルが変化したのはTSMCの成功がきっかけとなった。TMSCは台湾に本社のある企業だが、アメリカの企業文化の会社で、創業から3代の社長は全て米国籍。TSMCは創業直後から世界の顧客開拓を目標として、アメリカ市場に照準を定め、6割以上の顧客がアップルなどアメリカ企業。また、製造業をサービス業に転換して、サービスに撤する。最後に、TSMCの成功のカギの一つとして、1976年に台湾が米RCA社から半導体の技術移転を受けたことを挙げる。

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