2月にトーハクで「令和5年 新指定国宝・重要文化財」展を鑑賞した後で、明治大学博物館にハシゴしたら、祝日(建国記念の日)で休館だった。目的は考古部門コレクション展「上古の刀」、会期は5月6日まで。
3月になって再訪したら、こぶしの花が咲いていた。
「上古刀(じょうことう)」とは日本刀成立前の刀剣のこと。埼玉県秩父市の原谷古墳群出土の鉄製大刀2振と愛知県豊橋市の姫塚古墳出土の鉄製大刀2振を展示。パネルでは、平造、切刃造、鎬(しのぎ)造の刃の断面の形状の違いなどについて解説。
考古部門コレクション展「上古の刀」開幕!上古刀(じょうことう)とは、日本刀が成立する以前に作られた刀剣のことです。展示では古墳時代終末期の直刀を見ながら、これらがどのようにして私たちの知る日本刀の姿に変わっていくのかを追っていきます。是非ご覧ください! #明治大学博物館 pic.twitter.com/342x1j4A8b
— 明治大学博物館(Meiji University Museum) (@meiji_museum) 2023年2月7日
「上古の刀」見どころ紹介①
— 明治大学博物館(Meiji University Museum) (@meiji_museum) 2023年2月24日
日本刀は11〜12世紀に成立したと考えられています。それ以前に存在した刀剣は「上古刀(じょうことう)」と呼ばれ、狭義の日本刀とは区別される存在です。
上古刀と日本刀の大きな差異として、「反り」の有無と、刀身の立体構造「造込み」の違いが挙げられます。 pic.twitter.com/9BT29GdTQd
「上古の刀」見どころ紹介②
— 明治大学博物館(Meiji University Museum) (@meiji_museum) 2023年3月10日
鉄製大刀が日本に伝来したのは弥生時代中期で、古墳時代からは国内生産も本格化します。
この当時の大刀は反りのないまっすぐな姿をしていましたが、8〜9世紀ごろになると、反りを持つ大刀が東北地方をはじめとした地域に現れ、徐々に全国へと分布を拡大していきました。 pic.twitter.com/VhCfWmpi7l
「上古の刀」見どころ紹介③
— 明治大学博物館(Meiji University Museum) (@meiji_museum) 2023年3月24日
展示されている大刀は、どれも断面が二等辺三角形になります。刀の立体構造を造込みと言い、これはその一種の「平造」です。対して日本刀は「鎬造」が主流です。11世紀以降になると長い刀では鎬造が一般化し、平造は日本刀の中でも短刀に多く見られる造込みとなりました。 pic.twitter.com/LMcp1YBwhG
「上古の刀」見どころ紹介④
— 明治大学博物館(Meiji University Museum) (@meiji_museum) 2023年4月7日
反りや造込みがなぜ変化していったのか、明確な理由は未だ明らかになっていません。しかし、反りにより引き斬りが容易になることや、鎬によって切れ味の向上や軽量化が可能になるなどの利点を考えると、実戦の場における使用を念頭に置いた改良と言うことができます。 pic.twitter.com/ESM44bVBhM
「上古の刀」見どころ紹介⑤
— 明治大学博物館(Meiji University Museum) (@meiji_museum) 2023年4月21日
姫塚古墳の大刀には足金物など刀装具が残っているものがあります。足金物とは、上部の穴に紐を通し、腰に大刀を吊り下げるための金具です。
大刀の柄や鞘が長い年月で失われても、残った金具から作られた年代や、どのように身に着けられていたのかを知ることができます。 pic.twitter.com/zHSALIT79b
考古部門コレクション展「上古の刀」は5月6日まで!
— 明治大学博物館(Meiji University Museum) (@meiji_museum) 2023年4月28日
いよいよ閉幕間近です。
私たちの知る日本刀ができる前、刀はどんな姿だったのか?どのように「日本刀」の姿へ変化したのか?
ここまで5回に渡ってお伝えしてきた見どころも踏まえて、ぜひご覧ください!https://t.co/KELUigBtzu#明治大学博物館 pic.twitter.com/tr9UKhQlZG