今年も真福寺貝塚の発掘調査の現地説明会に参加した。真福寺貝塚は、縄文時代後期前葉から晩期中葉(約3,800〜2,600年前)まで営まれた貝塚を伴う集落遺跡と低湿地の泥炭層遺跡から成る。さいたま市教育委員会は、平成28年度から毎年、発掘調査を実施していて今年で7年目。私が真福寺貝塚の発掘調査の現地説明会に参加するのは、4年連続4回目。この日は、川崎市の影向寺遺跡、市川市の国府台遺跡でも現地説明会が開催されたが、4年連続ということで、こちらを選択した。今年は、昨年に引き続き、西側の水辺の活動域に設定した南北2ヶ所の調査区をさらに掘り下げ下層を調査した。
北側の調査区。斜面上方は後期末葉から晩期初頭の土層が堆積。斜面下層は晩期前葉から晩期中葉にかけて色調の異なる土層が2.5m以上にわたり累積。泥炭層からお宝の発掘は来年かな。
南側の調査区。斜面上方はヤマトシジミを主体とする斜面貝層が堆積。斜面貝層の最下部は後期前葉(堀之内2式)でマガキを主体とする。斜面貝層の下に堆積する土層は後期前葉(堀之内2式)と後期中葉(加曽利B1式)の2時期を主体とする。斜面下方は後期前葉から後期末葉にかけての色調の異なる土層が厚さ2mにわたり累積。後期前葉〜中葉は比較的緩やかな角度なのに対して、後期中葉以降は角度が急傾斜と時期により堆積状況が異なる。
南側の調査区の昨年と今年の写真を並べて見た。
北側調査区と南側調査区で出土した遺物の展示。一昨年に出土したミミズク土偶(2体の顔の部分)を含め、赤彩土器、製塩土器、切断壺形土器(上側)、骨鏃、弭(ゆはづ)、土製耳飾や、土器など。
貝塚や居住跡が分布する環状の土手状の高まり(環状盛土遺構)をぐるっとパノラマ写真で
さいたま市/史跡真福寺貝塚の発掘調査現地見学会を開催します(令和4年9月23日)
さいたま市/国指定史跡真福寺貝塚 調査最前線 2019 - 2020
今年は、真福寺貝塚を紹介する企画展が水子貝塚資料館展示室、埼玉県立歴史と民俗の博物館、さいたま市立博物館と3回も開催された。新発見のミミズク土偶に対面するのは今年は3回目。2020年の現地説明会を含めると4回目。それだけニーズが高い人気者。
先日、さいたま市立博物館を訪れた際に、2016年の企画展の図録を購入。大正15年の史前研究会(大山柏)による調査から日本考古学協会、人類学会、東京帝国大学理学部人類学教室、國學院大學考古学会、慶應義塾大学、岩槻市教育委員会、さいたま市教育委員会の調査までの歴史が解説されている。
「史跡 真福寺貝塚発掘調査現地見学会」さいたま市教育委員会。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2022年8月16日
大きなミミズク土偶の発見を始めとして大きな成果をあげている真福寺貝塚発掘調査。
今年の現地見学会決定🤗
昨年度の発掘では窪地から土偶、石剣、耳飾りなど多くの祭祀遺物が発見された。
今年の成果はどうだろう。
申込み不要😀 pic.twitter.com/NwlLYJPIlH
真福寺貝塚なう pic.twitter.com/S752lthtBD
— ぶじん(かんれき) (@kufunmeguri9) 2022年9月23日
岩槻市の真福寺貝塚現地見学会に来たでござります。 pic.twitter.com/qlmSf5qUss
— 子鹿のペンチャンでござるよ。🦌 (@myiland) 2022年9月23日
「史跡真福寺貝塚発掘調査現地説明会」さいたま市教育委員会。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2022年9月23日
7年目の発掘調査。
今年は低地をさらに掘り進め縄文の最深部に迫る。
大量の土器が出土している。
この状態を見せたかったのだろう。
谷は3m以上の深さがあるので来年度持ち越しかな。
環状盛土遺構も一回り大きい。
貝塚も出ている。 pic.twitter.com/mSWpnNaBh3
ミミズク土偶は裏側も見せてもらった。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2022年9月23日
黒彩の上に赤彩していて特別な土偶。
マガキの貝塚は後期前葉の堀之内2式。
後期中葉の加曽利B1の貝塚はヤマトシジミに変わるらしい。
海も無いのに貝塚を作り続ける真福寺縄文人には謎がある。 pic.twitter.com/VW2ICCG7xT
もう一つのミミズク土偶。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2022年9月23日
これの裏側。
これだけ見てもミミズク土偶とはわからないな。
切断壺形土器。
串を刺して焼成前に切断して蓋にしている。
後期前葉の東北北部の影響らしい。
赤彩土器。
晩期前葉の亀ケ岡式の影響かな。
今回は調査中の土器がいっぱい出ている状態が見られて臨場感😀 pic.twitter.com/OyZvidTAd8
おまけ。岩槻駅前のからくり時計