昨年に続き、今年もさいたま市の真福寺貝塚の発掘調査の現地説明会に参加した。昨年は、みみずく土偶の発見のニュースで見学者が多かったが、今年はその反動か、感染リスクが気にならない人出だった。今年は排水ポンプを導入して、昨年湧水で調査出来なかった西側の水辺の活動域に南北で2ヶ所の調査区を設定した。水辺の活動域は大正15年に大山史前学研究所が調査を行ったが、東京大空襲で研究所が全焼したため、貴重な記録や資料は失われている。昨年の説明会で、水辺の泥炭層では有機物が分解されないため貴重な遺物が出土するのではないかと聞いていたので、成果を期待した。
北側の調査区。縄文時代晩期の遺物の包含層が確認された。東側では70cmほどで関東ローム層が出るが、西側では2.2m掘り下げても関東ローム層に到達しない。さらに1mぐらい下まで埋め立てられている。
南側の調査区。縄文時代後期前葉から後葉(加曽利B式)にかけての遺構や遺物の包含層が確認された。後期後葉(加曽利B式)の貝層が壁面に確認できる。西側では2mの深さで地山の関東ローム層が確認された。
出土した遺物の展示。北側の調査区からは95年ぶりに籃胎漆器(らんたいしっき)が発見された。籃胎とは網目状に編んだもので、そこに漆を塗り固めてある。その他、漆塗膜片、製塩土器、炭化堅果類、漆塗土器、赤彩土器など。籃胎漆器は埼玉県では4ヶ所でしか出土していない貴重なもの。
調査区を西側から
現地見学会資料より
今回の調査により、縄文時代より前の、本来の谷の傾斜面の様相や、遺跡の継続期間中にどのように谷部に貝層や遺物包含層が堆積したのかが明らかになりました。なお、2ヶ所ある調査区では、谷部の埋積開始の時期や堆積期間がそれぞれ異なることが明らかになりました。
明日10月9日は #土偶の日 です‼️#岩槻区 の国指定史跡 #真福寺貝塚 から出土した #みみずく土偶 は重要文化財に指定されています✨
— さいたま市岩槻区役所 (@IwatsukiSCPR) 2021年10月8日
その真福寺貝塚では、10月23日(土)に発掘調査現地見学会が開催されます❣️
調査の様子や新たな発見を間近でご覧いただけます😄https://t.co/KKPQc87F2x pic.twitter.com/z6C76Z5n13
「史跡真福寺貝塚発掘調査現地見学会」さいたま市教育委員会。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2021年10月1日
今年も開催します。
去年は土偶の出土で大興奮でしたね😀
今回トレンチを低地まで延長しています。
掘り下げると大きな土器片が出ているようです。
また何が出るかはお楽しみです🥰 pic.twitter.com/u8cZ0SJsrn
「真福寺貝塚発掘調査現地見学会」さいたま市教育委員会。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2021年10月23日
今回、二本の長いトレンチを入れて谷部まで調査をしていました。
縄文人の盛土遺構をつくり谷も大規模に埋めていくというダイナミックな遺跡形成の様子が明らかになった大きな成果がありました😁
足の踏場の無いほど大量の土器が出たらしい😀 pic.twitter.com/ZBcx3LQRqR
10月23日(土)に #真福寺貝塚 発掘調査現地見学会が行われました‼️
— さいたま市岩槻区役所 (@IwatsukiSCPR) 2021年10月26日
専門職員による解説のほか、出土品も展示されました🏺
参加者からはいくつも質問がとび、皆さんの関心の高さがうかがえました😊
4枚目の「籃胎漆器(らんたいしっき)」は、とても貴重なものだそうですよ👀✨https://t.co/epuK1CyogP pic.twitter.com/lSBUN1ZmlB
武州鉄道跡
おまけで「祝 さいたま市 20周年」