小林八束(おばやしはっそく)1遺跡は、久喜市の南西部、菖蒲総合支所の南側に位置し、大宮台地と加須低地が接する地域に立地。小林調節池の改修工事に伴う発掘調査を2007年(第1次)から行なっている。今回の調査(第7次)では縄文時代後期(約4,000年前)の谷と古墳時代前期(約1,700年前)のムラ、古代以降(約1,300年前〜)の炭焼窯が見つかった。
ブルーシートで囲われた範囲が今回の調査範囲。中央の見学者が集まっている場所が縄文時代の谷。谷の右が古墳時代のムラがある台地。写真の右外側に調節池がある。左の奥の建物が菖蒲総合支所。
遺跡の範囲と調査範囲。
縄文時代の谷。
方形周溝墓の立札があったが、説明はなく、スルーされてしまった。
縄文時代の縦穴住居跡。立札に書かれた文字は左から壺、炉、高坏、壁周溝、器台。
こちらも古墳時代の住居跡。
古代以降の炭焼窯。隣に古墳時代の住居跡があるが時代は400年ほど差がある。鉄の生産に炭が使われていた。
炭焼窯の炭化室(炭を焼く部屋)と煙道部。
縄文時代の谷。手前の大木は谷の水流を堰き止める目的で設置された。GとHの札の位置に杭が打たれている。大木の奥に第3木組遺構。木の実のアクを晒す、もしくはふやかす目的で使用された。ドングリにはタンニンが含まれ、そのままでは食べられないが、タンニンは水溶性なので1週間以上水に晒せばアクが抜けるそうだ。
第2木組遺構と板敷部。板敷部で縄文人が作業をしていたと想定される。
第4号木組遺構。
小林調節池。
現地では小林八束1遺跡から出土した縄文土器、土偶、古墳時代の土師器などを見学した。また、先月、ららぽーと富士見で開催された「ほるたま展」(10/26〜10/29)で、小林八束1遺跡で出土したユーモラスな土偶たちを見学したので、今回の現地説明会は楽しみだった。
翌年のほるたま展でも展示あり。
- 小林八束1遺跡 平成19年度
- 小林八束1遺跡 平成24年度
- 小林八束1遺跡 平成25年度
- 小林八束Ⅰ遺跡(第5次) 平成26年度
- 小林八束1遺跡(第6次) 平成29年度
- 小林八束1遺跡(第7次) (久喜市) | 公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団
- 平成30年度 遺跡見学会 | 公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団
文献
[1] 公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団 2008 『埼玉県埋蔵文化財調査事業団報告書356:小林八束1/小林八束2』公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団
[2] 公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団 2018 『埼玉県埋蔵文化財調査事業団報告書442:小林八束1遺跡Ⅱ』公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団
同時にほるたま展会場でも人気投票を行なっています。
— (公財)埼玉県埋蔵文化財調査事業団 (@saimaibun) 2019年10月25日
会場:
前半戦→【モラージュ菖蒲】10月25日(金)〜29日(火)
後半戦→【そごう大宮】11月7日(木)〜10日(日)
まだ実物をみたことのない方はこの機会にぜひご覧ください! pic.twitter.com/N5cxp3BynO
①~③(1/2) https://t.co/m0HpZT2cRC pic.twitter.com/sw6n5P6EoE
— (公財)埼玉県埋蔵文化財調査事業団 (@saimaibun) 2019年10月25日
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— (公財)埼玉県埋蔵文化財調査事業団 (@saimaibun) 2019年10月25日
「小林八束1遺跡」。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2020年7月2日
変わった土偶で有名な遺跡。
縄文時代晩期がメインだけど古墳時代初頭の建物と方形周溝墓も素晴らしい。
気になったのが円形の遺構。
さらっと平地住居の記載のみ。
後で論文になるのかな? pic.twitter.com/cXQfo1KaIr
【特別展Ⅰ「Jomon Period-縄文の美と技、成熟する社会-」】
— 茨城県立歴史館 (@Ibaraki_rekishi) 2020年10月17日
本日はあいにくのお天気ですが,土偶たちもお待ちしております!
小林八束1遺跡のみみずく土偶(埼玉県教育委員会)です。#縄文 #火焔型土器 #土偶 #歴史館 pic.twitter.com/OBMccODBjy