週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

等々力不動尊と御岳山古墳 (再訪) 世田谷区等々力

「古墳散策ツアー」後に野毛大塚古墳から等々力渓谷の神変窟、等々力不動尊を経て、御岳山古墳を再訪した。満願寺所蔵で通常非公開の御岳山古墳出土の七鈴鏡(東京都指定文化財)は、いつかどこかで公開されないかな。1950年(昭和25年)に学習院大学が実施した御岳山古墳後円部墳頂の埋葬施設の調査は、調査に参加した学習院輔仁会高等科史学部2年生堀田正祥(当時16歳、後の尾張徳川家第21代当主徳川義宣徳川美術館館長)氏の47年後の報告(文献[1])で当時の様子が伝わる。

等々力渓谷
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東京都指定名勝 等々力渓谷(とどろきけいこく)

所在地 世田谷区等々力2丁目外

指定 平成11年3月3日

等々力渓谷は、国分寺崖線(ハケ)の最南端に位置する約1キロメートルの都区内唯一の渓谷である。谷沢川(やさわがわ)が国分寺崖線に切れ込んで浸食したもので、台地と谷との標高差は約10メートルある。 渓谷の斜面には、武蔵野の代表的な樹木であるケヤキをはじめ、シラカシ、コナラ、ヤマザクラ、イロハカエデなどとともに、常緑シダ類のような湿性植物が繁茂しており、渓谷内にはに至るところから湧水(ゆうすい)の出現が認められる。

等々力不動の滝右手の露頭では、武蔵野台地の基盤を形成する地層を観察することが出来る。地層は上から黒土層、立川ローム層、 武野ローム層、武蔵野礫層、東京層の順で、武蔵野ローム層の中には東京軽石層が白くベルト状に認められる。国分寺崖線の湧水である不動の滝は、武蔵野礫層と東京層との境から湧き出した地下水によるものである。稲荷不動右手の石段下には、この滝に打たれて行をする修行僧が各地から訪れたと言われており、役の行者(えんのぎょうしゃ)ゆかりの霊場と伝えられている。 

等々力渓谷は、東京都指定名勝「真姿の池湧水群(ますがたのいけゆうすいぐん)」(国分寺市西元町)とともに国分寺崖線名勝群を形成する一つであり、東京を代表する自然地理的名勝として、植生学、地質学及び地形学上重要である。

平成11年9月 東京都教育委員会

稚児大師御影堂
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役行者(役小角)を祀る祠。神変窟。神変窟は役行者が修行したと伝わる。
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等々力不動尊
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御岳山古墳
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東京都指定史跡 御岳山古墳(みたけさんこふん)

所在地 世田谷区等々力1-18

指定 昭和55年2月21日

御岳山古墳は、多摩川の左岸、標高31mの舌状台地先端部に位置しており、西側には等々力渓谷を臨んでいます。世田谷区野毛から大田区田園調布にかけて多摩川左側の台地緣辺部一带には、連なるように50数基から成る荏原台古墳群が形成されており、本古墳はこのうちのひとつです。西方には野毛大塚古墳(都指定史跡)があり、これに次ぐ規模を有しています。全長57m、現在高7mを測り、野毛大塚古墳と同じく帆立貝形です。河原石による葺石、円筒埴輪を伴い、五世紀後半から六世紀中葉の築造と考えられています。

学習院大学の調査によって、埋葬施設である内部主体は、木棺を粘土で覆った粘土槨であると推定されています。副葬品として内行花文を文様とする七鈴鏡(都指定有形文化財)、短甲、直刀等が出土しており、特に短甲は二領分の破片があり、その製作時期が五世紀後半に位置づられます。

平成22年3月建設 東京都教育委員会

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文献

[1] 徳川義宣 1997 「等々力古墳(御嶽山古墳)発掘調査報告」『学習院大学公文書館紀要

[2] 松崎元樹 1997 「世田谷区御嶽山古墳出土遺物の調査」『学習院大学公文書館紀要

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