週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

酒巻古墳群 (その3) 行田市酒巻

酒巻古墳群の続き。

酒巻3号墳、円墳、規模不明、土師器、横穴式石室、文献[1]
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酒巻1号、前方後円墳、全長46m、直刀・刀子・鐔・鉄鏃・耳環・土師器・須恵器・埴輪、横穴式石室、文献[1]
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酒巻2号墳、円墳、規模不明、埴輪、文献[1]
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酒巻15号、前方後円墳、全長34.2m、埴輪、横穴式石室、周堀確認、文献[1]
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酒巻15号墳

酒巻15号墳は、6世紀後半に築かれた直径約34.2mの前方後円墳です。太刀形埴輪、靭形埴輪、鞆形埴輪といった武具の形をした器財埴輪6点が、石室入口前面の周溝からまとまって出土しました。そのほかにも、人物埴輪、円筒埴輪、土器などが数多く出土しています。

出土した器財埴輪は残りが良いものが多く、出土品が一括して埼玉県指定文化財に指定されています。

道路の西側の池の向こうに酒巻17号墳、その奥に酒巻14号墳
酒巻17号墳跡、円墳、径9.8m、埴輪、古墳跡(周堀)、文献[1]
酒巻14号墳、円墳、径42m、埴輪・土師器、横穴式石室、周堀確認、文献[1]
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酒巻14号墳

酒巻14号墳は、6世紀末頃に築かれた直径約33.7mの円墳です。古墳の墳丘上の平らになったテラス部分に円筒埴輪が一周してたてられ、その内側に人物埴輪や馬形埴輪などの形象埴輪が一列に並んでたてられていました。形象埴輪の中には、日本で一体だけの旗を立てた馬形埴輪、古代朝鮮半島の筒袖の服を着た人物埴輪、ふんどしをした力士の埴輪など、朝鮮半島の文化の伝播がうかがえる埴輪が数多くあり、出土品が一括して国重要文化財に指定されています。

旗を立てた馬形埴輪などの酒巻14号墳出土の埴輪は、行田市郷土 博物館で展示されています。

道路の先、左手に酒巻23号墳
酒巻23号墳、円墳、規模不明、埴輪、古墳跡(周堀)、文献[1]
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道路の先、左手に手前から酒巻18号墳、22号墳、右手に手前から酒巻19号墳、16号墳、20号墳
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道路の先正面に酒巻21号墳
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酒巻21号墳

酒巻21号墳は、6世紀後半に築かれた直径約17.6mの円墳です。ひょうたんの形に似た胴張り型横穴式石室がある古墳で、石室から 装身具の金環、切子玉、管玉、砥石の模造品などが出土しています。

石室の入口付近からは、須恵器の壺や高杯などの土器がまとまって出土し、ここで墓前祭祀が行われたと思われます。さらに古墳の周りからは、円筒埴輪が一列に並んで出土しています。

下記のマップを頼りに歩いた。

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文献

[1] 埼玉県教育委員会 1994「埼玉県古墳詳細分布調査報告書」

[2] 近藤義郎 1994『前方後円墳集成 東北・関東編』山川出版社

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