週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

企画展「大嘗祭」 國學院大学博物館

國學院大学博物館で開催された企画展「大嘗祭」を見学して、ミュージアムトーク大嘗祭と亀卜」(講師: 笹生衛 館長)を聴講した。この日(12月10日)はナイトミュージアムとして閉館時間は19時15分に延長。

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大嘗祭(だいじょうさい)の中で亀卜(きぼく)としては、神饌(しんせん)の新穀を奉る国として悠紀の国(ゆきのくに)と主基の国(すきのくに)を定める卜定(ぼくじょう)がある。今回は5月に行われ、悠紀の国が栃木県、主基の国が京都府と定められた。亀の甲羅、卜甲(ぼくこう)を焼いて占う。亀卜を担当する神祇官(じんぎかん)が卜部(うらべ)、その纏め役が宮主(みやじゅ)。古代では20人の卜部(対馬国10人、壱岐国5人、伊豆の国5人)が置かれた。6遺跡から古代(6世紀から8世紀)の卜甲が出土。神奈川県三浦市間口(まぐち)洞穴、浜諸磯(はまもろいそ)遺跡、横須賀市鉞切(なたぎり)遣跡、千葉県船橋市印内台(いんないだい)遺跡、他は壱岐対馬。未使用の卜甲が鎌倉市由比ヶ浜の中世墓地遺跡の下の奈良時代の集落跡から出土。使用する甲羅はアカウミガメの甲羅(中国では淡水の亀)。アワビやカツオと一緒に出土する例も。甲羅の骨にあたる部分を薄さ3mm程の板に加工して、1cm角程の四角い穴(さん)を2mm程削り込む、残った1mm程の厚みの部分を裏側から焼きを入れて、水とかで急速に冷やしてひびの形で占う。1問1答で、何問も占うので、板に四角い穴をいくつも開けてある。大嘗祭以外で重要な亀卜として御卜(みうら)がある。御卜は、6月と12月に、この先半年間に天皇に祟りがないかを占う。亀卜の起源としては鹿や猪の骨を焼く卜(うらない)は弥生時代に始まる。丸い穴を開ける卜は朝鮮半島でも出土する。四角い穴を開ける卜、亀の甲羅を使う卜は朝鮮半島では出土しない。大嘗祭は220年間中断があり江戸時代に再興された。

今日は大晦日、来年もよろしくお願いします。今年のブログを振り返ると最初の3ヶ月は古墳めぐりができず、不定期の投稿でしたが、3月21日からは毎日1件の連続投稿を続けることができました。ただ、6月から11月まで古墳めぐりのブログにも関わらず、明治・大正期の煉瓦の記事が続きました。実は、煉瓦の記事はまだストックが溜まっていて、古墳の記事のストックが切れたら吐き出していこうと思っています。

文献

[1] 神沢勇一 1983「日本における骨卜、甲卜に関する二、三の考察―先史古代の卜骨・卜甲と近世以降の諸例との比較検討を中心に―」『神奈川県立博物館研究報告 考古・歴史・美術・民俗館』11号

中国の甲骨文については

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