神奈川県川崎市と東京都町田市の都県境の川崎フロンターレ麻生グランドの南、鶴川総合運動場の敷地内に片平富士塚古墳はある。現在、運動場はJR東海のリニア中央新幹線計画の非常口の予定地として管理されている。
南から。手前がグラウンド。
北東から。
北東方向の眺め。
文献[1]によると「南側及び西側の残存状況は良好とはいえないものの、北側から東側にかけては比較的良い。」「築造当初は、直径約18m、高さ約2.2mの円墳と推測される」「ただし、墳丘測量からだけでは、古墳であるか、或いは近世の信仰塚であるかという結論は困難」とのこと。文献[3]によると「標高約85mの南北に主軸を持つ舌状台地の墳頂部、景勝の地を選んで築造され、その名の通り富士を眺めるには絶好の場所」とされ、古墳の南側に、日本開発銀行、日本輸出入銀行の厚生施設としてグラウンドが建設された。
片平富士塚古墳へは小田急多摩線の栗平駅から南に徒歩19分。ちなみに、川崎市の最高地点は小田急多摩線の2つ先のはるひ野駅から西に徒歩20分ぐらいの諏訪ヶ岳で、標高144.4mとのこと。
文献
[1] 中野和夫・赤堀岳人 2005「川崎北西部に分布する古墳の概況」『川崎市文化財調査集録』41 川崎市教育委員会
[2] 佐藤善一・伊東秀吉 1989「川崎市内の高塚古墳について-現状確認調査を踏まえて-」『川崎市文化財調査集録』24 川崎市教育委員会