岡田遺跡の所在する台地の東向き小出川の谷に面する斜面中腹(標高13m前後)に越の山横穴墓群がある。1953年8月に赤星直忠氏による発掘調査で6基の横穴墓が確認された(文献[1])。また、1985年12月に6基の横穴墓から南側に約200mの斜面でも3基の横穴墓が確認された(文献[2])。
文献[5]によると越の山横穴墓群の2号と4号で線刻画が確認されていて、2号が「人物・縦線など(顔のみ※他剥落?)、垂下様式の耳・仏像と推定」、4号が「文章のみ、人物・縦線など、報:仏像と推定」とのこと。文献[6]によると7号と9号で造付石棺があり、相模東部の分布氏族として「秦、壬生直、飛鳥部、春部、大田部直、矢作部」が挙げられている。
横穴墓の中にシャベルを忘れたのは誰ですか?
南側の3基
ちなみに文献[3]の「岡田おこり塚(十三塚)」は県道45号線沿いに分布するいわゆる十三塚の1基で、車中でたまたま目撃した。
文献
[1] 寒川町郷土会編 1956『岡田越の山横穴墓群』寒川町郷土会
[2] 越の山横穴墓群発掘調査団 1986 『神奈川県高座郡寒川町越の山横穴墓群発掘調査概要』越の山横穴墓群発掘調査団
[3] 越の山横穴墓群発掘調査団 1991 『岡田越の山横穴墓群・岡田おこり塚(十三塚)発掘調査報告書』寒川町
[4] 相原精次・藤城憲児 2000「神奈川の古墳散歩」彩流社
[5] 柏木善治 2005 「横穴墓の線刻画」『第12回考古学講座ー神奈川の横穴墓』神奈川県考古学会
[6] 須藤智夫 2005 「相模の古墳・横穴墓と古代氏族」『第12回考古学講座ー神奈川の横穴墓』神奈川県考古学会
[7] 坂口圭太郎他 2018 「全国装飾古墳一覧(中間報告)」『熊本県立装飾古墳館研究紀要14』熊本県立装飾古墳館
お疲れ様。現説前に寄った越の山横穴墓群の開口している1基の内部を撮影した写真を家で確認したら、シャベルが写っていた。 pic.twitter.com/niyIIr6X5b
— ぶじん(挂甲の武人) (@kufunmeguri9) 2022年3月26日
その他今日訪れた古墳・横穴墓たち【神奈川県茅ヶ崎市、寒川町】
— ぺん@古墳巡り (@pen_kofun) 2021年1月31日
①北根遺跡②③越の山横穴墓群④大神塚周辺古墳群E号墳
北根遺跡は古墳かどうかを含め詳細不明の塚だけど、立地からしても古墳っぽい気がするな...。越の山横穴墓群はほとんどが土嚢で塞がれてて残念。 pic.twitter.com/wCyOrPk2cN