埼玉県戸田市にまだ現存する古墳があるらしいと知り訪れた。その古墳は、本村古墳群のくまん塚。文献[1]によると「現在は、開墾されて原形をとどめていないが、わずかに墳丘と横穴式石室に使用されたと思われる石材が残っている。出土した年月は不詳であるが、大刀ニが熊木家に保存されている」「平成11年(1999)」に行われた上戸田本村遺跡の調査で「くまん塚」の周溝の一部が発掘され、形象埴輪(人物・馬)が出土している」、文献[2]によると「6世紀後半から末葉頃に造られた円墳」とのこと。
情報収集を兼ねて戸田市立郷土博物館を訪れた。南原遺跡の南原古墳群の資料が充実していた。事務所で第32回特別展の図録(文献[2])を購入。
「古墳横穴及同時代遺跡探訪記録帳: 上戸田くまん塚古墳」の2007年の記事を頼りに「くまん塚」と思われる地点を訪れた。「地主の方が畑地で作業中」という僥倖は得られなかった。木立は伐採されたのだろうか?藪で「僅かな盛り上がり」や「石室材と思われる石材」を見つけることはできなかった。「石質は凝灰岩っぽい雰囲気で、この石には小穴がぼこぼこと開いていた」ということは房州磯石か?季節を考えて再訪したい。
近くの鍛冶谷・新田口遺跡(新田口公園)にも足をのばした。
戸田漕艇場のすぐ北に南原古墳群は分布する。
あなたの足元に眠る文化財 〜戸田に暮らした古代の人々〜 戸田市立郷土資料館
上戸田本町遺跡について調べるには 戸田市立図書館 2019年5月5日
くまん塚古墳/本村古墳群【埼玉県戸田市】〜古墳の森探検日誌〜
戸田市くまん塚古墳石室材。 by Toyofusa (cult666) on Mobypicture
市指定文化財(南原遺跡1号古墳男子埴輪) - 戸田市公式サイト
戸田に古墳あったんだ。知らなかった。そういえば戸田市立郷土博物館は3月末までリニュアールのため閉館中。オープンしたら行ってみたい。 https://t.co/WY85g1Qjqd
— ぶじん(挂甲の武人) (@kufunmeguri9) 2020年2月26日
「戸田市立郷土博物館」。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2022年5月5日
十三菩提式という前期末葉の土器。
縄でグルグルに縛ったような文様。
それまでのただ縄文を転がしただけとは違う異様?
6.000年前の頭蓋骨。
地下5mから出てきた。
昔は海の底なので丸木舟で遭難した男性と言われている。
弥生終末期には陸地化して東海系の入植者が入る。 pic.twitter.com/rpFOirVEgy
南原7号墳。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2022年5月5日
5世紀末の古墳で多くの形象埴輪が出土。
馬形埴輪。
顔が扁平で群馬の初期馬形埴輪と類似している。
靫を担ぐ埴輪。
長い耳飾りを付けた女性埴輪。
どれも個性的。
全体的に埼玉古墳群の埴輪とよく似ている。
埼玉稲荷山古墳の主の配下で荒川の水運を担った首長の墳墓とも言われている。 pic.twitter.com/jOJP06P3Ds
荒川から東京湾方面をのぞむ。
— 古代人? (@Kikiki93886931) 2022年5月5日
両岸のゼロメートル地帯に多くの古墳時代初頭の低地集落が広がっていた。
下流の川口や豊島区、足立区でも多い。
東海のゼロメートル地帯からの入植者。
住居とも方形周溝墓ともわからない遺構が彼らの特徴。
港区、中央区にもあったはずというのが安藤説。 pic.twitter.com/8JX8wPqdB8
文献
[1] 塩野博 2004「埼玉の古墳 北足立・入間」さきたま出版会