Twitterの記事でNVIDIAの時価総額がIntelに肉薄と知り、5年前の夏に北の丸公園の科学技術館でインテルが開催した「ムーアの法則 50周年記念展示」を思い出した。5年前の2015年といえば、インテルは年初に14nmプロセスの第5世代Core (コードネームBroadwell)を正式に発表。この時はまだ、2年周期で微細化を進める「チック・タック」モデルが第6世代Skylakeのシュリンク版の第7世代Cannon Lakeで崩壊することを知らない。2016年に予定していたインテルの10nmプロセスの量産製造は2019年の第10世代のIce Lakeまで持ち越された。2019年のメモリバブルの崩壊もインテルの10nmプロセスの立ち上げの遅れが原因と言われている。さらに、6月にアップルがMacのプロセッサをIntelから独自のArmベースのチップ「Apple Silicon」に移行することを発表したことも打撃に。対するNVIDIAは2016年頃に起こったディープラーニングブームの波に乗って一気に成長。仮想通貨のマイニングの低迷とデータセンター向けの使用許諾(EULA)の変更という失策で2018年暮れに株価は急落したがその後回復。今年5月のイベント「GPU Technology Conference(GTC)2020」でAIの訓練と推論の双方に最適化した最新アーキテクチャ「NVIDIA Ampere(アンペア)」のハイエンドGPU「NVIDIA A100」を発表した。新型コロナ禍の休校要請で品薄となったNintendo Switchは、何気に任天堂とNVIDIAの共同開発。さらに秋に発売されるゲーム機向けGPU需要への期待も。
チップメーカーの盟主交代? Nvidia vs Intel, 時価総額の推移 https://t.co/yAeChDJA9y 2020年になって以降時価総額を70%増やしたNvidiaがIntelに肉薄。背景にパンデミックによるクラウドベースサービス需要の増加。 pic.twitter.com/rt0pQqLmSO
— Spica (@CasseCool) 2020年7月7日
4004マイクロプロセッサ
80286マイクロプロセッサ
Intel386マイクロプロセッサ
Intel486マイクロプロセッサ
Intel Pentium IIプロセッサ
第5世代Core「Broadwell」
14nmプロセス技術によって製造されたウエハー
ちなみにムーアの法則を延命する挑戦は続けられていて今年のVLSIシンポジウムのレポートでは、1nmまでのロードマップや、トランジスタを3D化するFinFET、Nanosheet、Forksheet、CFETの構造の変化など興味深い。
1nmが見えてきたスケーリング 「VLSI 2020」リポート (1/7) - EE Times Japan
昔の3石ラジオとか、半導体のトランジスタを原料のシリコンやゲルマニウムから石に例えたように、半導体テクノロジーは考古学と親和性が高いかもしれない。と、古墳ブログでこんな記事を書く言い訳をしてみる。古墳も当時は最先端テクノロジーだった。私は最先端テクノロジーが好きなんだ。納得。
サイトが更新されました: AMD (NASDAQ: AMD)の株式は、Intelが7nmアリーナで苦戦しているため、16%以上急騰 https://t.co/RRicYdtYt2
— Lisaちゃん@PC自作 (@KotoriKanase) 2020年7月25日