松山台地東南端、新江川をのぞむ舌状台地上に所在する根岸稲荷神社古墳は、1990年の古墳詳細分布調査で前方後方墳と判明。一辺20mの後方部の墳丘上に稲荷神社が祀られている。前方部は東に向き先端は不明。くびれ部幅は約7m、前方部の長さは5m以上。周溝からは焼成後に底部が穿孔された吉ヶ谷系壺型土器と、焼成前に穿孔された五領式の壺型土器が出土した。東松山市埋蔵文化財センターのパネルでは、「4世紀前葉に築造された小型の前方後方墳で、今のところ県内最古の古墳」とする。さきたま史跡の博物館のパネルでは根岸稲荷神社古墳を3世紀前半の箸墓古墳と同時期に位置付けている。
西を流れる新江川の対岸から。後方部の西側は新江川の改修工事で削られ断崖になっている。
南側の稲荷神社の参道から。
前方部は鳥居の右手。左手が新江川。
振り返って。
北の神社裏から。前方部は左手。
文献
[1] 埼玉県立さきたま史跡の博物館 2017「埼玉の古墳 1 比企・入間」
[2] 朝霞市博物館 2019「朝霞から見る古墳の出現 〜方形周溝墓から古墳へ〜」