日本フェルトの工場跡地から100基以上の古墳時代前期の方形周溝墓が確認された。方形周溝墓からはガラス玉の鋳型が出土。現在は公園になっている。すぐそばを隅田川が流れ、遺跡は川によって形成された微高地上に立地する。この微高地は周辺の高背湿地よりもわずかに高く安定していた。地表下約1mに遺跡は眠っていた。
下記の北区のWebsiteの説明では、100基以上の方形周溝墓が確認されたとするが、「周溝をもつ建物跡」と方形周溝墓が混在する遺跡との指摘があり、最近の研究では、周溝を有する建物跡150棟、方形周溝墓12基等が検出とされる。
文献
[1] 北区飛鳥山博物館 2000 『夏期企画展 豊島馬場遺跡と方形周溝墓』
[2] 福田聖 2000 『方形周溝墓の再発見』
【#常展だより】
— 北区飛鳥山博物館(公式) (@ASUKAYAMA_muse) 2021年6月13日
豊島馬場遺跡では古墳時代の木製品が出土している。
木製品は、土中で腐食し形を残さないのが常だが、低地の遺跡では水分量の多い土にパックされ、腐食を免れ出土する場合がある。
ジメジメはとかく不快だが、ジメジメがもたらすモノもあるのだ。#考古学 #木製品 #古墳時代 pic.twitter.com/aSWkxjcm9H
左:日本フェルト株式会社王子工場(大正8年), 「日本フェルト五十年史」
右:日本フェルト株式会社王子工場正面, 「日本フェルト五十年史」
昨日行って来ました。方形周溝墓、関東にいるせいか弥生時代の墓制の一つとして普遍的なものだと勘違いしてたけど、九州と中国地方には存在しないということを知りました。元祖は朝鮮半島で、近畿以東にジャンプして伝来って興味深い状況。 https://t.co/kv3ubcgYln
— shigesoul (@BackInMusashi) 2023年1月22日
あと、東京では古墳時代に入ってもあまり古墳作らずに方形周溝墓を作り続けていたというのが、近年の縄文~弥生時代へのゆるやかな移行の話を想起させられて面白かった。
— shigesoul (@BackInMusashi) 2023年1月22日