東京国立博物館が所蔵する野毛大塚古墳の第2主体部出土品が、今年、国の重要文化財に指定される。東京国立博物館では、7月11日から9月10日まで平成館企画展示室で、所蔵する第2主体部出土品を展示する。野毛大塚古墳は5世紀に築造された全長82mの帆立貝式古墳で、墳頂に4つの主体部(埋葬施設)が見つかっている。1897年に第2主体部の箱形石棺から滑石製模造品や鉄製武器、装身具などが発見された。これら第2主体部出土品の大半は東京国立博物館が所蔵している。第1,3,4主体部出土品は1989年から1992年に発掘を行なった世田谷区教育委員会が所蔵している。この世田谷区所蔵品は2016年に重要文化財に指定された。また、新たに国宝に指定される東大寺山古墳出土品は平成館考古展示室に展示されている。7月29日に月例講演会「古墳時代の石製宝器と儀器」が行われる。
野毛大塚古墳第2主体部の石棺は世田谷区立郷土資料館でレプリカを見学できる。組合式の箱型石棺で、石材は磯石。産地は千葉県富津周辺もしくは神奈川県の三浦半島周辺の海岸。