富士見台古墳は、蟹ヶ谷古墳群から北東に徒歩18分、矢上川の対岸の子母口(しぼぐち)の高台にある。円墳。径17.5m。高さ3.7m。
古墳の南にある橘樹(たちばな)神社は、日本武尊(やまとたけるのみこと)と弟橘媛(おとたちばなひめ)を祀り、社伝によると、日本武尊東征の際、尊の身代りに海中に身を投じた弟橘媛の御衣・御冠が、この地に漂着したと伝えている。古事記では「かれ七日ありて後に、其の后の御櫛海辺によりたりき。すなわち、その櫛を取りて御陵を作りて治め置きき」と伝える。
子母口は、野川にある古刹・影向寺(ようごうじ)周辺とともに、古代武蔵国橘樹郡の郡衙(ぐんが)推定地として有力視されていた。2015年に「影向寺遺跡」の東に隣接する「橘樹郡衙跡」が橘樹官衙遺跡群として川崎市初の国史跡に指定された。
影向寺。
第三京浜道路。4.7km北東の多摩川ICの近くには野毛大塚古墳がある。
文献
[1] 川崎市市民ミュージアム 1992「遺跡ガイドブック -かわさきの古墳めぐり-」川崎市市民ミュージアム