明治の末ごろ、京浜電鉄(現京浜急行)の軌道をつくる土をとるために瓢箪山を切り崩していたところ、丘の中腹で2m四方の大きな横穴が発見され、その穴の中から人骨、埴輪、土偶、勾玉、刀剣などがたくさん出てきた。穴の入口に格子戸を立て「お穴さま」として祀ったところ、目が悪かったおばあさんがお祈りをしたら目が治ったということから、「お穴さま詣で」としてお参りすることが大流行した。
文献[2]によると「駒岡古墳群の瓢箪山古墳は前方後円墳のようにみえるが径20mほどの円墳で、人物埴輪が出土している」とする。
文献[3]によると「駒岡岩瀬地区の駒岡山古墳(瓢箪山古墳)や岩瀬山横穴墓群(お穴様)は明治年間に発掘され、信仰の対象となったことから新聞記者や郷土史家の記録に残されました。」「地元ではこの穴の正体を突きとめようとして、帝国大学教授坪井正五郎博士を招聘して発掘調査を依頼。「お穴様」は結果的に横穴墓で、坪井博士は都合 2基の横穴墓(岩瀬山 横穴墓群)と山頂の古墳(駒岡山古墳または瓢箪山古墳)を発掘し、 出土遺物を当時の帝室博物館(現東京国立博物館)に送りました。」「土師器坏・玉類・銅釧(腕輪)・直刀・鉄鏃(矢じり)・馬具・人物埴輪などがあります。」とする。
川崎駅西口から鶴見駅西口行きの臨港バス「川50」を鷹野大橋で下車。瓢箪山遺跡の石碑まで徒歩7分。
鶴見川の鷹野大橋から加瀬台を望む。
瓢箪山遺跡の石碑
当時の絵葉書
明治時代に「ご利益がある」と一大ブームとなったが一瞬にして消えた鶴見の「お穴さま詣で」って一体何!? - [はまれぽ.com] 横浜 川崎 湘南 神奈川県の地域情報サイト
文献
[1] 稲盛森三 19669「瓢箪山おあなさま」旭屋本店
[2] 川崎市市民ミュージアム 1996『加瀬台古墳群の研究I -加瀬台8号墳の発掘調査報告書-』川崎市市民ミュージアム