週末は古墳巡り

古墳とは、およそ3世紀から7世紀に築かれた墳丘状の墓のこと。その数、およそ20万基。

白山古墳と第六天古墳 川崎市幸区北加瀬

白山(はくさん)古墳は4世紀後半頃に築かれた武蔵国でも最も古い大形の前方後円墳。全長87m。1937年に発掘調査され、遺体を安置した主体部からは鏡類・玉類・鉄器類など多量の副葬品が発見された。多摩川流域では唯一の「初期」の三角縁神獣鏡が出土している。三角縁神獣鏡慶應大学が所蔵。この三角縁神獣鏡京都府椿井大塚山古墳と同笵鏡で畿内との結びつきが強い古墳と言える。この同笵鏡は山口県竹島古墳、福岡県神蔵古墳から出土している。初期の三角縁神獣鏡平塚市の真土大塚山古墳からも出土している。

第六天古墳は白山古墳の西隣に築造された円墳。直径19m。1937年の発掘調査では、横穴式石室から勾玉や金銅製鈴などの副葬品とともに11体もの遺骸が発見された。文献[2]によると「横穴式石室の中に緑泥石片岩の板石6枚を組み合わせた長さ2.3m、幅0.9mの箱式石棺が設置」されていた、「6世紀後半に築造された」と考えられ、「荒川上流の周辺地域から緑泥石片岩を切り出し」「陸の道ではなく舟を使って運んだ」と考えられる。

白山古墳と第六天古墳は1942年に土取り工事のため消滅。

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文献

[1] 三田史学会 1953 『考古學・民族學叢刊2:日吉加瀬古墳』三田史學會
[2] 川崎市市民ミュージアム 1992「遺跡ガイドブック -かわさきの古墳めぐり-」川崎市市民ミュージアム

[3] 埼玉県立さきたま史跡の博物館 2021「令和3年度企画展 運ぶ -埼玉古墳群とモノの動き-」図録

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